2022年01月31日

「うまい棒」12円に、米国は39年ぶり物価上昇 何が起きてる?【週間ニュースまとめ1月24日~30日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 「うまい棒」という駄菓子を知っている人は多いと思います。1979年に発売されてから希望小売価格はずっと税別10円でした。でも、4月出荷分から税別12円に値上げします。原材料の米国産トウモロコシや植物油が値上がりし、原油高で運送費などの経費も上がっているため、我慢も限界となったようです。うまい棒だけでなく、多くの食品や身の回り品、電力やガスなどで2月以降の値上がりが予定されています。中国の経済成長や欧米の景気回復などで世界的にモノの需要が高まる一方、農産物の不作やコロナ禍による働き手・コンテナの不足で供給が追いつかず、原油価格も上昇基調にあり、輸入品が高くなる円安が進むなど、いろいろな要因が重なっています。アメリカの物価上昇はもっとひどく、2021年12月には物価上昇率が7.0%と約39年ぶりの高水準になりました。このため、米連邦準備制度理事会(FRB)は3月に利上げに踏み切る方針を決めました。利上げをすると世の中に出回っているお金が減るので、物価を下げる効果が期待できます。一方で、景気を冷やす心配もあります。その心配から世界の株価は大きく下がりました。2008年のリーマン・ショック以来、世界は金融を緩和して景気を刺激してきました。さらに2020年のコロナ禍で一段と緩和傾向を強めましたが、緩和の副作用である物価上昇が許容できないレベルに来てしまいました。長く続いた金融緩和時代が曲がり角を迎えているようです。そういう時期にオミクロン株が猛威をふるい、ウクライナ情勢が波乱含みになっています。世界経済は今、大きな混乱が起こってもおかしくない微妙なところに来ていると思います。(ジャーナリスト・一色清)

(写真は、やおきんが販売している「うまい棒」)

【経済】ガソリン補助金発動、1リットル3.4円 高値抑制狙うが効果不透明(1/25.Tue)

 政府は25日、ガソリンや灯油の価格上昇を抑えるため、石油元売り各社へ補助金を出すと正式に発表した。原油の高騰を受けて、24日時点のレギュラーガソリンの店頭価格(全国平均)が170.2円と約13年ぶりに170円以上となり、発動の条件を満たした。家計や企業の負担増を和らげる狙いだが、効果は不透明だ。ガソリン、灯油、軽油、重油が対象で、補助金の支給単価は4油種とも同じだ。27日からの1週間は石油元売り各社に1リットルあたり3.4円を出す。ガソリンの全国平均が170円を超えないように、単価を毎週見直す。上限は1リットルあたり最大5円で、3月末まで出す予定だ。背景には原油の高騰がある。指標となる米国産WTI原油先物価格は19日に一時、1バレル=87ドル台と約7年ぶりの高値をつけた。新型コロナウイルスのオミクロン株の感染が欧米の一部ではピークを越え、原油の需要は徐々に回復すると見込まれている。ウクライナや中東で緊張が高まったことも、供給不安の観測につながっている。

【経済】米FRB 3月に利上げへ 日経平均 一時900円超の下落
(1/26.Wed)

 米連邦準備制度理事会(FRB)は26日、3月に利上げに踏み切り、ゼロ金利政策を終える方針を決めた。新型コロナ対策で始めた大規模な金融緩和の正常化を急ぎ、インフレを抑えたい考えだ。ただ、FRBの前のめりな姿勢に金融市場は動揺し、日経平均株価は27日、一時900円超下落するなど、1年2カ月ぶりの安値となった。26日の連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、FRBのパウエル議長は金融引き締めを着実に進める姿勢を示した。FRBは声明で、「0~0.25%」に据え置いている政策金利の誘導目標について、「近く引き上げるのが適切だ」と明記。3月以降、2022年中のFOMCは7回ある。金融市場では1回おきに年内計4回、0.25%幅ずつの利上げを織り込む見方が中心だが、パウエル氏は会見でこれを上回るペースでの利上げや、0.50%幅の急激な利上げの可能性も否定しなかった。

【教育】出頭の19歳、共通テスト流出の関与認める「とんでもないことした」(1/27.Fri)

 大学入学共通テスト初日の15日、「世界史B」の問題が試験中に外部に流出したとされる件で、大阪府内の大学に通う少女(19)が27日、母親に付き添われて香川県警丸亀署に出頭した。流出への関与を認め、「スマートフォンを上着の袖に隠して撮影し、画像を送信した。大変申し訳ないことをした」と話したという。捜査関係者への取材でわかった。女子大学生は「別の大学に入り直そうとしたが、成績が伸び悩んでいた」と説明。警視庁は、大学入試センター職員への偽計業務妨害の疑いで女子大学生から事情を聴く。世界史Bの問題を撮影したとみられる画像約30枚は、15日の試験時間中に東京大の学生2人に通話アプリ「スカイプ」で送られた。少なくとも1人は解答を送り返していた。捜査関係者によると、東大生2人はテスト前、家庭教師の紹介サイトで「受験を控えた女子生徒」を名乗る人物とやり取りしていた。この人物は「実力を測りたい」として指定の問題を解くよう2人に依頼。少なくとも別の学生2人が同様に解答を依頼されたという。

【経済】日産、ルノー、三菱3社でEV35車種を投入 EVマーチ欧州発売へ(1/27.Thu)

 日産自動車三菱自動車、仏ルノーの3社連合は27日、電気自動車(EV)に2026年度までの5年で3兆円を投資する方針を発表した。2030年度までに35車種のEVを投入する。開発費を抑えるため、3社で車台や部品の共通化を進める。2030年度までに投入するEV35車種のうち約9割は、計5種類の共通車台を使う。小型車向けの車台はルノーが開発、生産する。日産はリチウムイオン電池よりも小型化でき、安全性も高い「全固体電池」を2028年度に向けて開発している。この電池を2030年度までに3社で共用する予定だ。リチウムイオン電池を含めた生産能力も増やす。

【政治】佐渡金山を世界遺産登録へ推薦 岸田首相、新潟と党内の声で方針転換(1/28.Fri)

 岸田文雄首相は28日、2023年の世界文化遺産登録をめざす国内候補に選ばれた佐渡金山遺跡(新潟県佐渡市)をユネスコへ推薦すると表明した。2月1日に閣議了解する。政府は当初、韓国が歴史問題を理由に撤回を要求し、登録の見通しが立たないとして推薦を見送る方向で調整していたが、方針を転換。地元関係者や自民党内から推薦を求める声が強まっていた。佐渡金山遺跡は昨年末、文化審議会が推薦候補に選んだ。16~19世紀に、伝統的手工業による生産技術や生産体制を深化させた金生産システムを示す遺構として価値があるとされた。一方、韓国政府は、戦時中に佐渡の鉱山で朝鮮半島出身者が働いており、「強制労働被害の現場だ」などと主張、選定撤回を要求した。夏に参院選も控える首相は、新潟や党内の声を重視して、推薦に踏み切ったとみられる。

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