2020年08月24日

不況なのにキャリア官僚人気が落ちた理由【週間ニュースまとめ8月17日~23日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 新型コロナウイルスのせいで、経済がひどいことになっています。日本の4~6月期の国内総生産(GDP)は年率換算で27.8%ものマイナスになりました。これはリーマン・ショックの時を上回る戦後最悪の落ち込みです。もちろん日本だけでなくアメリカやヨーロッパも大きなマイナスになっていて、世界中が谷底に転落したようなありさまです。これから徐々に回復するとは思いますが、完全に回復するには数年かかるだろうというのが大方の見方です。こんな不況の時には就活生の間で公務員人気が高まるというのが、これまでの定説でした。雇用も給料も安定しているためです。しかし、公務員のトップであるキャリア官僚については必ずしも当てはまらないようです。国家公務員 総合職試験の結果が人事院から発表されましたが、申込者数が過去最も少なく、官僚と言えば東京大学といわれるくらい多かった東大の受験者数も合格者数も減りました。これまでほぼ一貫して増えていた女性の合格割合も減っています。人事院は試験日程がずれ込んだことなどを申込者数の減少の理由として挙げていますが、わたしはそもそも国家公務員幹部コースの人気自体が落ちているためだと考えています。今の政権では政治主導が確立して、国家公務員は官邸に気に入られないと出世できないと言われます。たとえ気に入られて偉くなっても、不祥事を起こして辞任に追い込まれたり、スキャンダルを暴かれたりする例がいくつもありました。大学生には、官僚が割に合わずカッコ悪い存在に見えてきているのではないでしょうか。官僚は国の運営という大事な仕事をするわけですから、優秀な人が敬遠するようでは困ります。人気テレビドラマの銀行員・半沢直樹のようなカッコいい官僚があらわれてイメージが変わればいいのですが。(朝日新聞社教育コーディネーター・一色清)

(写真は、中央省庁の集中する東京・霞が関一帯と、国会議事堂〈奥〉=2017年1月18日、東京都千代田区、本社ヘリ)

【経済】4~6月期実質GDP年27.8%減 戦後最大の減少率(8/17.Mon)

 内閣府が17日公表した4~6月期の国内総生産(GDP)の1次速報は、物価変動の影響を除いた実質季節調整値)で前期(1~3月)より7.8%減り、3四半期連続のマイナス成長になった。このペースが1年間続いたと仮定した年率換算では27.8%減。成長率のマイナス幅は比較可能な1980年以降で最大で、事実上、戦後最悪の落ち込みだ。コロナ危機が国内経済に与えた打撃の大きさが浮き彫りになった。3四半期連続の減少は、東日本大震災を挟んだ2011年4~6月期以来、9年ぶり。今年4~6月期はコロナの影響が国内でも本格化し、経済活動が急速に縮んだ時期と重なる。GDPの減少率は、コロナの影響が出始めた1~3月期の年率2.5%減から一気に拡大。これまで最大だったリーマン・ショック直後の2009年1~3月期の年率17.8%減も、大きく上回った。

【社会】浜松で41.1度、国内最高温度に並ぶ 各地で猛暑日に(8/17.Mon)

 17日も各地で午前中から気温が上昇し、35度以上の猛暑日を記録する地点が相次いだ。気象庁によると、浜松市で午後0時10分に41.1度を記録し、2018年7月に埼玉県 熊谷市で観測された国内最高気温に並んだ。浜松市では16日にも観測史上最高となる40.9度を記録しており、2日連続の40度台となった。同庁は熱中症への警戒を呼びかけている。

【経済】アップル、時価総額2兆ドル超え 一本足打法から脱皮(8/19.Wed)

 米 アップル時価総額が19日、米国企業で初めて2兆ドル(約212兆円)を突破した。2018年に1兆ドルを突破してから、2年で倍に。コロナ禍が各国の企業業績の打撃となるなか、同社はiPhone(アイフォーン)だけでなくサービス分野やウェアラブルなど重層的に売り上げを伸ばしていることが、株価上昇を生んでいる。ただ米議会などからは、強さゆえの批判も出ている。アップルの株価は19日の取引時間中、一時468ドル超となり、時価総額が2兆ドルを超えた。世界では、サウジアラビアの国営石油会社「サウジアラムコ」が昨年12月の上場直後に2兆ドル超えを記録しているが、19日時点の時価総額は1.82兆ドル。アップルの時価総額はそれを上回り世界一だ。

【将棋】藤井聡太棋聖、王位も獲得し最年少二冠(8/20.Thu)

 将棋の高校生棋士、藤井聡太棋聖(18)が20日、福岡市中央区の大濠公園能楽堂で行われた第61期王位戦七番勝負(新聞三社連合主催)の第4局で、木村一基王位(47)に勝ち、シリーズ4連勝でタイトルを奪取した。これで棋聖とあわせ二冠となり、タイトル2期獲得の規定により八段に昇段した。18歳1カ月での二冠と八段昇段は、いずれも最年少記録となる。これまで二冠の最年少記録は、1992年9月に羽生九段が棋王王座を加えた21歳11カ月だったが、これを大きく更新。加藤一二三九段(80)が1958年につくった18歳3カ月の八段昇段の年少記録も更新した。将棋のタイトルは現在、名人竜王叡王(えいおう)、王位、王座、棋王、王将、棋聖の八つ。藤井棋聖は7月、第91期棋聖戦五番勝負で渡辺明名人(36)=棋王・王将とあわせ三冠=を3勝1敗で破り、史上最年少の17歳11カ月で初タイトルを獲得した。

【就職】東大生の合格が過去最少 省庁幹部候補の国家公務員試験(8/21.Fri)

 人事院は21日、2020年度(2021年4月採用)の中央府省庁幹部候補となる国家公務員総合職試験の合格者が1717人だった、と発表した。大学別(大学院を含む)の合格者数のトップは東京大の249人だったが、前年度よりも58人減り、記録が残る1998年度以降で最少となった。女性は511人で、割合は過去最高だった前年度を1.7ポイント下回る29.8%だった。人事院によると、大学別では、東大に続いて京都大が131人、早稲田大が90人だったという。全体の申込者数は過去最も少ない1万6730人、倍率は9.7倍だった。人事院の担当者は、東大生の受験者数も減っているとし、「採用意欲の高い民間に東大生が流れていると考えられる。新型コロナウイルス感染症の拡大で試験の日程がずれ込んだことも影響しているのではないか」と話した。

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