2020年02月25日

高検検事長の定年延長が、なぜ「民主主義の危機」なのか【週間ニュースまとめ2月17日~24日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 「この1~2週が瀬戸際」。新型コロナウイルスによる肺炎への危機感が日増しに高まっています。新聞やテレビでもこの問題が連日、大きく取り上げられています。命に関わる問題ですし、経済にも大きな影響を与える問題ですから、大騒ぎするのは当然です。ただ、その陰で見落とされがちになっている大事な問題もあります。ここにきて国会で問題になっているひとつが、東京高検 検事長定年延長問題です。東京高検検事長は検察庁法で63歳が定年となっています。黒川弘務検事長は2月で63歳になりますが、安倍政権は法律の解釈を変えたことにして8月まで定年を延長することを決めました。検察のトップである検事総長は65歳で定年です。今の稲田伸夫検事総長は65歳まであと1年以上ありますが、今年7月に就任2年になり、最近の検事総長は2年をメドに交代しているので、7月末で交代するという観測がもっぱらです。そうなると、退官しないですんだ黒川検事長が検事総長になることが可能になります。だからこの定年延長は黒川検事長を検事総長にするためだとみられているわけです。黒川検事長は安倍政権と良好な関係なのだそうです。つまり、安倍政権はお気に入りを検事総長にして、政権にダメージを与えるような捜査を手控えてもらうことを狙っているのではないか、という疑念を呼んでいるわけです。この通りのシナリオを政権が描いているのだとすると、日本の民主主義の危機です。本当に黒川検事長が検事総長になるのかどうか、目をこらしてみていないといけません。(朝日新聞社教育コーディネーター・一色清)

(チャートは、国家公務員の定年規定)

【経済】GDP年率6.3%減 10~12月、5期ぶりマイナス(2/17.Mon)

 内閣府が17日公表した昨年10~12月期の国内総生産(GDP)の1次速報は、物価の変動を除いた実質(季節調整値)で前期(7~9月期)より1.6%減り、5四半期ぶりのマイナス成長となった。この状況が1年続いたと仮定した年率換算では6.3%減。10月からの消費増税に台風被害なども重なり、個人消費が落ち込んだことが大きく影響した。

【政治】人事院局長「言い間違えた」 検事長定年延長で答弁撤回(2/19.Wed)

 東京高検検事長の定年延長問題をめぐり、人事院の松尾恵美子給与局長は19日、国家公務員法の延長規定が検察官には「適用されない」とする政府解釈を「現在まで続けている」とした12日の自身の答弁を撤回した。「閣内不一致」批判の根拠となる答弁を発言者自身が容易に覆したことに対し、野党側は「無理筋」と強く反発している。安倍内閣が定年延長を決定したのは、東京高検の黒川弘務検事長(63)。検察庁法では検察官の定年年齢は63歳で、恣意(しい)的運用として批判が集まっていた。

【社会】籠池氏に懲役5年の実刑 妻は一部無罪で執行猶予判決(2/19.Wed)

 学校法人 森友学園(大阪市)の補助金不正事件で、国の補助金など計約1億7000万円をだまし取ったとする詐欺罪などに問われた学園前理事長の籠池泰典被告(67)と妻諄子(じゅんこ)被告(63)の判決 公判が19日午前、大阪地裁であった。野口卓志裁判長は泰典被告に懲役5年、諄子被告に懲役3年執行猶予5年(いずれも求刑懲役7年)を言い渡した。諄子被告が大阪府と同市の補助金約1億2000万円を詐取したとされる起訴内容は無罪とした。両被告は起訴内容の大半を否認し、逮捕・起訴は「口封じのための国策捜査」と批判。しかし、この主張は争点とならず、両被告に詐欺の認識があったかが争点となっていた。

【就活】リクナビ、3月まで就活イベント全面中止 新型肺炎対策(2/20.Thu)

 新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大を受け、就活情報サイト「リクナビ」を運営するリクルートキャリアは20日、2021年卒の大学生らを対象に3月1~31日に予定していた合同企業説明会をすべて中止すると発表した。また、2月22日に東京と大阪、24日に宮崎、26日に鹿児島で開催を予定していた就活準備イベントも取りやめる。中止するイベントは、44都道府県の計91件にのぼる。

合説・イベント中止で就活生がやるべきこと 出遅れ学生は…【イチ押しニュース】参照

【社会】「この1~2週が瀬戸際」 新型肺炎、専門家会議が見解(2/24.Mon)

 新型コロナウイルスの感染が国内で広がっている問題で、政府の専門家会議が24日、「新型コロナウイルス 感染症に関する見解」をまとめた。「これからの1~2週間が、急速な拡大に進むか、収束できるかの瀬戸際」だとして、感染拡大を防ぐ取り組みへの協力を呼びかけた。見解は、新型コロナについて「感染の完全な防御が極めて難しいウイルス」と認めつつ、「感染の拡大のスピードを抑制することは可能」とした。その上で「感染の拡大のスピードを抑制し、可能な限り重症者の発生と死亡数を減らすこと」が重要だとした。

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