2019年05月13日

米vs.中国・北朝鮮・イラン…トランプ強硬路線でどうなる?【週間ニュースまとめ 5月7日~12日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 アメリカが各方面でいさかいを起こしています。当面の最大のいさかいは中国との貿易摩擦です。「貿易戦争」という言葉を使うことも多くなりました。中国との貿易赤字を解消したいアメリカは、これまで品目を分けて2度にわたって中国からの輸入品の関税を引き上げてきましたが、中国が公正な貿易をするようにアメリカが求めても完全には改めないという理由で、3度目の関税引き上げを実施しました。中国も対抗措置として報復関税をかけます。まだ関税を引き上げていない品目は「第4弾」となりますが、アメリカはこちらも引き上げることを示唆していますので、米中の全ての貿易品目の関税が引き上げられる可能性が出てきました。米中貿易戦争は世界経済にマイナスの大きな影響を与えそうです。アメリカは北朝鮮とも再びいさかいを始める可能性が出ています。北朝鮮が発射したミサイルを弾道ミサイルと断定したためです。弾道ミサイルなら国連安全保障理事会制裁決議違反になります。北朝鮮の挑発はアメリカが受容できる限界に近づいており、再び米朝の緊張が高まるかもしれません。すでに緊張が高まっているのが、アメリカとイランです。昨年5月にアメリカはイランとの核合意から離脱し、イランに対しては経済制裁を実施しています。イランはそれに反発し、核開発の再開もありえるとしています。アメリカ軍は中東地域に空母打撃群を展開しており、きっかけがあれば中東で戦争が起きかねない雲行きです。来年に迫った大統領選に向けて強硬路線をとるトランプ大統領から目を離せません。(朝日新聞社教育コーディネーター・一色 清)

週間ニュースまとめ

【社会】保育園児1人の意識回復 散歩の列に車、2人が死亡(5/8.Wed)

 8日午前10時15分ごろ、大津市大萱6丁目の県道交差点付近で、「保育園児の列に車が突っ込んだ」と近所の住民から119番通報があった。滋賀県警や大津市消防局などによると、園児13人と保育士2人が搬送され、園児2人が死亡、2人が意識不明の重体となったが、うち1人は意識を回復した。事故には2台の車がからんでおり、県警はそれぞれの車を運転していた2人を自動車運転死傷行為処罰法(過失運転致傷)違反容疑で現行犯逮捕し、事故当時の状況を調べる。

【社会】渡辺直美さんらも登場 東京五輪チケット抽選予約開始(5/9.Thu)

 2020年東京五輪 のチケット抽選販売受け付けが9日午前10時、大会組織委員会の特設サイトで始まった。正午からは都内で、自転車BMX フリースタイルの中村輪夢選手や、お笑い芸人の渡辺直美さんらが抽選参加のデモンストレーションなどをするイベントが開かれた。28日午後11時59分まで受け付けており、抽選結果は6月20日に通知。当選者は7月2日までに購入手続きを行う。

【経済】トヨタとパナソニック、住宅事業統合 来年1月に新会社(5/9.Thu)

 トヨタ自動車パナソニックは9日、街づくりの事業で合弁会社をつくると発表した。通信機能などを備えたトヨタのつながる車(コネクテッドカー)や、パナソニックの家電などの技術を持ち寄り、新事業を展開。住宅事業を統合する。新会社「プライム ライフ テクノロジーズ」を2020年1月に設立する予定。トヨタとパナソニックが出資し、三井物産も出資を検討する。新会社は、トヨタホームとパナソニックホームズなどを傘下におさめる。

【経済】米、追加関税を発動 高官協議で回避できず 中国報復か(5/10.Fri)

 米政府は米東部時間10日午前0時1分(日本時間同午後1時1分)、中国からの2000億ドル(約22兆円)分の輸入品にかける追加関税を10%から25%に引き上げる制裁措置を発動した。米中高官が9日にワシントンで協議したが、回避には至らなかった。中国側は10日、重ねて報復を予告。制裁関税の応酬になれば世界経済への悪影響は避けられない。対象品目は5700以上で、日用雑貨や農産物、家具など一般の消費財を幅広く含む。米政府が昨年9月、追加関税の「第3弾」として10%の関税をかけており、今年1月に25%へ引き上げられる予定だったが、延期されていた。

【国際】北朝鮮飛翔体、米「弾道ミサイル」と断定 新局面入りか(5/10.Fri)

 米国防総省が2回目となる北朝鮮による飛翔(ひしょう)体の発射を「複数の弾道ミサイル」と断定した。弾道ミサイルであれば、通常のミサイルとはまるで事情が違ってくる。国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁決議は北朝鮮に弾道ミサイル技術を使ったいかなる発射も禁じており、今回の飛翔体発射が国連決議違反に該当することになるためだ。国際社会は何らかの対応を迫られる可能性も出てくる。米側の2回目の飛翔体発射をめぐる反応は、1回目とは違って厳しいものだった。トランプ米大統領は「我々は極めて深刻に見ている。(ミサイル発射は)だれもハッピーではない」と不快感を示した。北朝鮮の話題となれば、正恩氏との個人的な関係が良好であることをつけ加えるのが常だが、こうした言葉を一切発することはなかった。



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