2018年07月23日

参院定数6増、カジノ実施法成立…、若者は怒らない?【週間ニュースまとめ7月17~22日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 猛暑の1週間でした。岐阜県多治見市では40.8度を記録し、41度の日本最高気温に迫りました。愛知県豊田市では、小学1年生の男児が校外学習で熱中症になり亡くなるという痛ましい事故が起こりました。暑さへの悲鳴が日本中で聞かれましたが、通常国会最終盤を迎えた国会議事堂の中だけは「冷え冷えとしていた」と表現してもいいでしょう。世論調査では反対が圧倒的に多い「参院定数6増法案」と「カジノ法案」が圧倒的多数の与党により強引に成立しました。「人口減少時代に国会議員は増やすのか」「ギャンブルで国おこしとは節操がない」といった声は無視され、ごく一部の利益を享受する人たちの声が通りました。こうしたことに対して、本来なら国民が怒ることで与党が謙虚にならざるを得ないものですが、国民の怒り、特に若者の怒りはそれほど感じられません。どんな社会になれば若者は怒るのでしょうか。(朝日新聞社教育コーディネーター・一色 清)

週間ニュースまとめ

【社会】小1男児が熱中症で死亡 校外学習中に「疲れた」訴え(7/17.Tue)

 17日正午前、愛知県豊田市梅坪(うめつぼ)町の市立梅坪小学校(児童数730人)の教室で、校外学習先から戻った1年の男子児童(6)の意識がなくなり、倒れたと学校から119番通報があった。児童は救急搬送されたが間もなく死亡が確認された。重度の熱中症である熱射病と診断されたという。

【経済】世界貿易4割の経済圏誕生へ 日本とEU、EPAに署名(7/17.Tue)

 安倍晋三首相は17日、欧州連合(EU)のトゥスク首脳会議常任議長(大統領に相当)、ユンケル欧州委員長と首相官邸で会談し、昨年12月に大筋合意した経済連携協定(EPA)に署名した。発効すれば双方の関税が広く撤廃・削減され、国内総生産(GDP)の約3割、貿易の約4割を占める最大級の自由経済圏が生まれる。日本とEUの両議会は今後、発効に向けた承認手続きに入る。2019年3月末までの発効をめざす。

世界貿易の4割…日欧EPAで得する業界はここだ!【今週のイチ押しニュース】

【経済】グーグルに過去最高5700億円の制裁金 EU独禁法(7/18.Wed)

 欧州連合(EU)の行政機能を担う欧州委員会は18日、米検索最大手グーグルが携帯端末向けの自社の「アプリ」(応用ソフト)を使うよう取引先に強要するなどし、EU競争法(独占禁止法)に違反したとして、43億4千万ユーロ(約5700億円)の制裁金を科すと発表した。欧州委が1社に科す制裁金では、17年にグーグルが命じられた額(24億2千万ユーロ)を上回って過去最高となる。

【政治】参院定数6増の改正公職選挙法が成立 与党押し切る(7/18.Wed)

 自民党などが提出した改正公職選挙法が18日、衆院本会議で自民、公明両党の賛成多数で可決、成立した。参院議員の定数を6人増やし、比例区に「特定枠」を設ける内容。報道各社の世論調査で反対が賛成を上回る中、与党が押し切った。参院の定数増は、本土に復帰する沖縄に地方区を設ける1970年の同法改正以来48年ぶりだ。
 改正公選法は来年夏の参院選から適用される。総定数は現行の242人から248に。選挙区では、一票の格差是正のため埼玉を2増する。比例区では定数を4増やして96から100にしたうえで、個人の得票数に関係なく優先的に当選できる特定枠を政党の判断で採用できるようにする。
 参院は3年ごとの選挙で半数を改選するため、来夏の参院選は埼玉選挙区で1増、比例区で2増となる。

【政治】カジノ実施法が成立 最大3カ所で設置可能に(7/20.Fri)

 カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法が20日夜の参院本会議で、自民、公明の与党と日本維新の会の賛成多数で可決、成立した。カジノ実施法の成立により、刑法の賭博罪にあたるカジノについて、国内に最大3カ所の設置が例外的に認められることになる。ギャンブル依存症対策として、入場料を「6千円」とし、「28日間で10回」といった入場回数制限も盛り込まれた。

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