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稲田朋美防衛相(写真)が辞任、民進党の蓮舫代表も辞任を表明しました。それぞれの事情があってのことですが、しばらく続いた「安倍1強」態勢が大きく揺らぎ、与野党ともに「ポスト安倍」をめぐる権力闘争が激しくなりそうです。安倍内閣は急落した支持率を回復できるのか、民進党は政権の「受け皿」になり得る政党に生まれ変われるのかが焦点です。政治は経済や企業の活動、ひいてはみなさんの就活にも大きく影響しますから、関心をもって政治ニュースをウォッチしてください。今の動きをわかりやすく解説します。(編集長・木之本敬介)
「次世代リーダー候補」の辞任
稲田防衛相の辞任は、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣された陸上自衛隊の部隊が作成した日報問題が理由です。日報には2016年7月に現地で「戦闘」があったと記されていましたが、情報公開請求に対し、防衛省は「廃棄済み」としていったん不開示を決定。年末になって電子データが見つかり、今年2月に公表しましたが、稲田氏は情報公開法の開示義務違反があったなどとして監督責任をとって辞任しました。防衛省・自衛隊が組織的に隠蔽(いんぺい)していた疑惑を調査する中で稲田氏が隠蔽に関わっていたのではないかとも指摘されましたが、この点は否定しました。稲田氏は他にも、東京都議選の自民党候補の応援演説で「防衛省、自衛隊、防衛大臣、自民党としてもお願いしたい」と自衛隊の政治利用と受け取れる発言をするなど、防衛相としての資質をたびたび問われてきました。稲田氏は安倍首相(写真)が「次世代のリーダー候補」として抜擢した人物だけに、首相の求心力は低下しそうです。
内閣支持率が急落
朝日新聞の最新の世論調査で安倍内閣の支持率は33%に落ち込み、第2次安倍政権発足以降最低を記録しました。報道各社の世論調査でも同じ傾向です。一般に支持率が30%を割ると「危険水域」と言われます。第1次安倍内閣では2007年夏に26%に落ち込んだ2カ月後に退陣に追い込まれました。背景にあるのは、稲田氏の問題のほか、「加計(かけ)学園の獣医学部新設をめぐる問題」で公正であるべき行政がゆがめられたのではないかとの疑いや、その指摘や疑惑に対する説明不足です。さらに「森友学園問題」や、豊田真由子衆院議員の暴言・暴行問題など自民党議員の一連の不祥事も影響しているでしょう。国民の支持がない政権は推進力を失い、政権運営が厳しくなります。
政権の「受け皿」になれる?
一方、民進党の蓮舫代表は、東京都議選の惨敗後、党執行部への批判が強まって求心力を失い、辞任することになりました。台湾籍との二重国籍問題で説明が二転三転したことも影響したとみられています。内閣が国民の支持を失ったとき、頼りになる野党がいれば、衆院総選挙で政権交代ということになります。2009年には政権交代で民主党政権が誕生しましたが、政権運営は迷走し、2012年末に再び政権が代わり今の安倍政権が生まれました。その後、民主党は民進党に生まれ変わりましたが、政権の「受け皿」にはなれていません。朝日新聞の最近の世論調査では、民進党の支持率は5%にとどまり、「支持政党なし」の無党派層が47%に増えました。
民進党の代表選挙には、前原誠司元外相、枝野幸男元官房長官らが立候補するとみられています。誰が代表になるにしても、自民党との対立軸を明確に打ち出し、政権の「受け皿」として国民に認められる政党に脱皮できるかどうかが焦点です。
これからの注目ポイント
安倍首相は8月3日に大半の大臣を交代する内閣改造を行う予定です。イメージ一新で支持率回復を狙いますが、小手先の改造で抜本的なイメージアップができるかどうかはわかりません。今後の日程ではっきりしているのは、2018年9月末までに自民党総裁選が行われることと、今の衆院議員の任期が同年12月13日までですから、それまでには必ず衆院総選挙が行われることです。「安倍1強」が崩れる中、自民党総裁選の候補には石破茂・前地方創生相、岸田文雄外相らの名前が取りざたされています。憲法改正をめざす安倍首相は、改憲勢力が衆参3分の2を占める今の勢力で改憲をめざすとみられてきましたが、不透明になってきました。民進党の新体制が整う前に衆院を解散して総選挙に踏み切るかもしれません。
民進党は代表が代わって「受け皿」になれるのか、安倍内閣の支持率はどうなるのか、自民党総裁選に向けて党内のライバルはどう出るのか、安倍首相はいつ解散に踏み切るのか。さらに、都議選で「受け皿」となって圧勝した小池百合子都知事がつくった都民ファーストの会は国政に進出するのか。さまざまな要因が絡んで、これからの政局から目が離せません。
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