ニュースのポイント
今日取り上げるのは、総合面(1面)の「物価2% 6回目見送り/19年度ごろ/日銀の信認低下」、総合面(3面)の「上がらぬ物価 変わる弁明/日銀『2%』先送り/『企業・家計なお慎重』/米欧、緩和『出口』探る」、経済面(9面)の「『2%へ勢いは維持』黒田総裁会見」(いずれも東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版)です。
他にも理由はありそうです。買いたいものがないというのはどうでしょう。かつての高度成長の時代は、電気製品や自動車などがよく売れました。貧しくてモノを持っていなかった日本人が急速に生活レベルを上げる喜びを味わうことができたのです。でも今は、モノがあり余っている社会です。「断捨離」の喜びを味わう時代です。さらに、家も車もシェアする時代です。シェアリングエコノミーはモノを効率よく使うことになるわけですから、モノは売れなくなります。
物価上昇率がゼロ%近辺でうろうろしているのは、私たちの生活にとって悪いことではありません。問題は、異次元金融緩和で経済のゆがみがとても大きくなっていて、どこかで私たちにそのしっぺ返しが来るのではないかという心配です。国が発行する国債のほとんどを日銀が買うことによって、日銀は金利が上がると大きな損を抱えることになります。一方で、アメリカや欧州は金融緩和から金融引き締めに転換し始めているので、金利が上がっています。このままなら、日本との金利差が大きくなり、急激な円安が起こる可能性があります。それを防ごうと日銀も引き締めるために持っている国債を売り始めると、国債の暴落と金利の急騰の心配があります。こうみると、日銀は動くに動けない状況になっています。日銀の異次元対応が常態化し、本来の日銀の姿が異次元になってきたといってもいいかもしれません。つまり日銀は今の異次元対応を続けないと大きな波乱の心配があり、続けて米欧との金利差が大きくなりすぎても大きな波乱の心配があるというジレンマに陥っています。
みなさんは就活戦線が売り手市場になっているため、景気の良さを感じているかもしれません。しかし、内実はそんなに明るいわけではありません。安倍政権はアベノミクスという大きな賭けのような経済政策をとり、消費税引き上げも先送りし続けています。それで目先はまずまずの景気になっています。しかし、将来のリスクは膨らんでいるのです。本当は、将来をよくする政策が一番大事で、人々が将来はよくなると思えれば今がよくなるのです。会社も同じで、今だけでなく将来を見通してしっかり考えている会社がいい会社だと思います。
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2025/02/18 更新
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