2016年03月14日

広島中3問題で考える、個人情報利用の難しさ(ニュース★あらもーど 3月7日~3月13日)

テーマ:週間ニュースまとめ

 広島で起きた中学3年生の自殺。経緯が明らかになってくるに従い様々な問題点が指摘されていますが、ここでは「個人情報の管理」というところまで一般化してみます。暮らしや仕事を便利に効率良くするため、多くの個人情報が収集・蓄積され、様々に形を変えて利用されています。その一方で不正アプリのように、情報を不正に扱って経済的な利益を生み出す動きも活発です。広島の件のように、ずさんな情報管理や安易な利用が取り返しのつかない結果を招くこともあります。私たちは情報を利用して社会をより良い、豊かなものにもできますが、一方で情報不正の被害者にも、さらには加害者にも容易になりうる時代に生きているということを肝に銘じたいものです。

 写真は3月11日付朝日新聞「東日本大震災5年」別刷り特集の記事を使ったバッグです。
 毎週月曜は1週間のニュースのうち、みなさんと共有したい話題をお届けする「ニュース★あらもーど」の日。火曜~金曜日の「今日の朝刊」通常版とともに、ご活用ください。(朝日新聞教育総合本部ディレクター・真下 聡)

ニュースダイジェスト

【スマホ】アンドロイド、不正アプリ急増 2015年は1000万個超(3/7.Mon)

 スマートフォンから個人情報を抜き取ったり、お金を振り込ませたりする「不正アプリ」が急増している。セキュリティーソフト大手のトレンドマイクロによると、基本ソフトに米グーグルの「アンドロイド」を使う機種で2015年に世界で見つかった不正アプリは、前年の約2.5倍の1059万6000個に増えた。最近は比較的厳しい審査を経たアプリを使う米アップルのiPhoneでも見つかっている。不正アプリは勝手に個人情報を抜き取るものが主だったが、最近では利用者が望んでいないのに広告を表示し、不正アプリの提供者が広告料を得る「アドウェア」と呼ばれる手法を使うアプリが全体の8割を占めるまで増えている。

【広島】中3、進路指導後に自殺 誤った万引き歴で「推薦難しい」 (3/8.Tue)

 広島県府中町教育委員会が記者会見を開き、町内の中学3年の男子生徒が2015年12月、自殺していたと明らかにした。学校側は「(生徒が)1年生の時に万引きをした」とする誤った記録をもとに、生徒が志望した私立高校への学校長の推薦はできないと告げていた。生徒はこのことが親に伝えられた日に自殺していた。生徒の自殺後、学校側が2年前の事情を知る教諭らから聞き取ったところ、万引きは別の生徒の行為だったことがわかり、親に謝罪したという。学校側は生徒が1年生だった2013年、別人の万引き行為を生徒の行為として記録。校内の生徒指導会議で教員が誤りを指摘したが、学校のサーバーにある電子データは修正されなかったという。

【裁判】稼働中の原発、初の差し止め、高浜3、4号機停止(3/9.Wed)

 1~2月に再稼働した関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)をめぐり、大津地裁は稼働中の原発に対しては初めて2基の運転を差し止める仮処分決定を出した。福島原発事故の原因が解明されていない中で、地震・津波への対策や避難計画に疑問が残ると指摘。安全性に関する関電の証明は不十分と判断した。関電は10日、営業運転中の3号機の原子炉を停止させた。一方で、決定の取り消しを求める保全異議や効力を一時的に止める執行停止を地裁に申し立てる方針。それらが認められない限り、差し止めの法的効力は続く。4号機は再稼働後の2月29日、トラブルで緊急停止したため原子炉を冷温停止の状態に戻している。

【東日本大震災】発生から5年 避難生活なお17万人余 (3/11.Fri)

 東日本大震災の発生から5年を迎えた。避難生活を送る人はなお17万人以上に上り、恒久的な住まいの一つ、災害公営住宅の完成は被災3県でまだ半分にとどまる。政府が決めた集中復興期間は3月末で終わるが、被災地が日常を取り戻すのは遠い。警察庁は10日、震災の死者が全国で1万5894人、行方不明者は2561人と発表した。震災後の体調悪化や自殺による震災関連死は3407人(復興庁まとめ、昨年9月末時点)。岩手、宮城、福島3県のプレハブ仮設住宅に独り暮らしで、誰にもみとられず亡くなった「孤独死」は202人(警察庁まとめ、昨年末時点)に上った。避難者は震災発生直後の47万人から減ったものの、いまも17万4000人に上る。岩手、宮城、福島の3県で7割を占める。仮設住宅の入居戸数は3県で約5万4000戸。災害公営住宅は3県で計画の47.5%にとどまる1万4042戸。人手不足などで建設が遅れている。

【IT】囲碁の人工知能、勝ち越し 世界最強棋士に3連勝(3/12.Sat)

 米IT企業グーグル傘下の英グーグル・ディープマインド社が開発した囲碁の人工知能(AI)「アルファ碁」と、世界で最も強い棋士の一人、韓国の李世ドル九段の第3局が行われ、アルファ碁が3連勝した。対局は全5局行われるが、2局を残してアルファ碁が勝ち越し、勝利を決めた。その後第4局では李九段が初勝利した。AIは1997年にチェスの世界王者、2013年には将棋のプロ棋士に勝利したが、囲碁はチェスや将棋に比べて終局までの手順が桁違いに多く、AIがプロに勝つには10年はかかると言われていた。アルファ碁は対局時に全ての手を検討するのではなく、過去の棋譜などをもとに自己学習を繰り返して強くなり、これを克服した。

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