【
伊藤忠商事】就職活動では、「その会社に入ると何ができるか」も重要と言われますが、私は「どんな人とどんな環境で仕事ができるか」も大事だと思います。就活は結婚と似ていて、会社全体の見栄えがいかによくても、自分の価値観との共通点がない会社に入ると、本人も会社もお互いに幸福になれない気がします。
総合職で入社すると、希望する職種とはまったく違う仕事につくことがあります。「営業志望」や「企画開発志望」で入社しても、経理や総務を担当するかもしれず、仕事内容はかなり異なります。一方で、一緒に働く先輩社員とは長いお付き合いになります。だから、「誰と働くか」はみなさんにとって極めて重要なんです。大企業だと数千人いますから、一人に会っただけで社風を決めつけるのはリスキーですが、説明会や選考の過程で何人もの社員に接していると、「こんな人たち」が見えてくるはずです。
【
第一生命】小学校から大学まで野球をしました。高校は全く強くないチームで、自分を含めて並の選手しかおらず、入学と同時に甲子園を諦めていたんです。それでも奇跡的に甲子園に出場できた。その経験から、チームワーク力の素晴らしさを学びました。チームワークには「人」が大事なので、就活でも「徹底的に人を見てやろう」と思い、いろんな会社のいろんな人に会いました。とりあえず社員との接点を持って、「この会社はどんな人が多いのか」を徹底的に観察しました。その結果、第一生命に決めました。決め手は「人」でした。優秀な人が多いことと、強いこだわりを持ちつつも、ひとりよがりじゃない人が多いことです。チームワークを重視しそうな人が多かったですね。(第一生命の社員には)延べ20人くらいは会いました。他の会社も含めると100人以上の社員に会ったと思います。
【伊藤忠商事】どの会社も3人会うと社風が伝わってくることが分かりました。だいたい似た感じ、タイプの方が3名出てくる。たとえば銀行の若手、中堅、ベテランクラスに会うと、だいたい雰囲気が同じなんです。ところが伊藤忠だけ、会った3人のカラーが全く違っていた。最初に会った若手はさわやかラガーマンタイプ。帰国子女で、首が太くて日焼けして歯が白い! ところが2人目は、大学の落語研究会出身の方で、ひょろっとしていて、開口一番「仕事忙しくて大変だよ~」と。終始ニコニコしながら、自分の仕事のやりがいについてざっくばらんに話してくれました。3人目は課長クラス。今度は一転して無口なタイプで、理知的で頭が切れそうな方でした。
面白いな!と思いました。こんな会社、他にない、と。聞いたところ、「そうなんだよ。でも、皆、自分の仕事に誇りを持っている。任された仕事は何が何でもやり通そうとする。そのための努力は決して惜しまない。君はそんな世界で自分を試したいと思わないか? 君にそれができるか?」と目を見て言われ、かっこいいなと。それで一気に伊藤忠に行きたくなったんです。
今から100人に会うのは無理でしょうが、迷っている人は内定先の採用担当者に「○○な社員を紹介してもらえませんか」と頼んでみましょう。まともな会社なら紹介してくれるはずです。