人気企業の採用担当者直撃インタビュー「人事のホンネ」2020シーズンの第10弾、森永乳業の後編です。選考のポイントは、「考えて動ける」人かどうか。エントリーシート(ES)に800字書くガクチカをもとに面接で深掘りされますよ。(編集長・木之本敬介)
(前編はこちら)
■ES
──本選考のプレエントリー、本エントリーの数は?
プレエントリーは数万人、本エントリーは数千人規模です。
──ESはどんな内容ですか。
メインの質問は、「学生時代に最も力を注いだこと」と、「その中で一番苦労したこと、それをどう乗り越えたか」で計800字。研究・ゼミの内容が200字。志望理由が200字です。
──800字書くのは大変です。
文字数にはセルフスクリーニングの意図もあります。800字を面倒に思う人もいるかもしれません。他社とは使い回しできないので、森永乳業に対する思いを乗せる必要があります。何かしら自分で考えて書いてほしいと考えています。
一方で志望理由については、ESを出した時点で森永乳業が第1志望でなくても構いません。もちろん第1志望なら嬉しいのですが、それを求めているわけではなく、ESの時点では、魅力的な学生が当社に興味を持って受けくれるのが目標です。その後、選考会などで社員と会う機会が数回あるので、最終面接を終えた時点で「森永乳業に行きたい」となっていればいい。
内定した学生に聞くと「選考を通じて知った社員さんの魅力で入りました」という人が多い。そこはESの段階では分からないので、ESで志望理由を聞く必要はないとも思っています。
──「学生時代に最も力を注いだこと」は、どんな内容が多いのですか。
部活動、サークル、学業、アルバイト、ボランティア、留学経験とさまざまです。知りたいのは困難を乗り越えられるかどうか。大切なことは、諦めず一歩前に進むこと、自分自身で考え、行動することです。そうした困難に立ち向かう気持ちがあるか。そのうえで、ただただ頑張るのではなく、自分でどう考えてどう行動に移すかを見ています。正解があるわけではないので、考え方も行動も人それぞれ。いろんな人がいていいと思っています。ただ、仕事上の困難にぶちあたったとき乗り越えるために、そうした経験をしてきた人に来てもらいたいんです。
──ESと適性検査で書類選考ですね?
事務系だと、数千人中、1次面接に進むのは数百人程度です。技術系はコースによって違います。
森永乳業株式会社
2020シーズン【第10回 森永乳業】(後編)
「どう考えどう動いたか」見る 入社の決め手は人の魅力
コーポレート本部 人財部人財グループ アシスタントリーダー 桑野多聞(くわの・たもん)さん
2019年01月29日
「考えても行動に移せない人」や「考えずに行動する人」は難しい
■面接
──面接はどんな形式ですか。
事務系は3回。1次がグループディスカッション(GD)、2次は1対1の個人面接。3次が最終の個人面接で人財部長が行います。
「研究開発コース」は1次が1対1の人事面接、2次が研究員による研究所面接、3次が最終です。
「生産技術」「エンジニアリング」「酪農」は1次が人事面接で2次が最終面接です。
技術系の最終面接は各部門の部門長が行います。
──事務系のGDは何を見ますか。
いわゆるコミュニケーション能力ですね。ただし、ただ話すのがうまいとか仕切るのがうまいというよりは、メンバーと協力しながら議論を進めることができるかどうかが大切だと思います。時間は40分程度で、テーマは森永乳業に関するもの、関係しないものなどさまざまです。
──個人面接は?
2次面接はESに書いてあることが中心で20分程度です。ESの800字でかなりの情報がありますが、そこをさらに深く聞いていきます。もしくはそれ以外の経験で、その人のパーソナリティーを見ていきます。困難をどう乗り越えてきたか、学生時代の経験から確認します。
──桑野さんが聞くポイントは?
私が面接でチェックするのは、思考と行動がどう結びついているかですね。「どう考えてどう動いたか」。人によって考え方や動き方はそれぞれだと思います。その中で個々の本当の強みは何なのかを意識しながら面接をしています。いろいろなタイプの人がいますが、面接時にはその人が森永乳業のどんな場所で活躍できるか、イメージを膨らませています。もちろん思考力や発想力は大切ですが、考えているだけで行動に移せない人やまったく考えずに行動する人では会社で成果を上げていくのは難しいと感じています。
──面接でニュースについて聞きますか。
選考の時点ではあまり気にしませんが、新聞を読むことは非常に大事です。きっかけは「営業で得意先に行くのに必要だから読む」とか「仕事をしていくうえで社会の知識が必要だから読む」ということでいいと思います。
■やりがいと厳しさ
──どんな社員が多いのでしょう?
全体として真面目で誠実な人が多い。これはもしかしたら、これまでの採用の話とはギャップを感じるかもしれません。当社は2017年に100周年を迎えましたが、2世紀目に入り、変わっていこう、もっと成長していこうという気運が高まっています。これから入ってくる人は、会社を自分の手で変えていくんだ、森永乳業の2世紀目を担っていくんだという気概がより大事です。
──それが「ナンバーワンインターン」「真っ白な情熱」「ダイバーシティ重視」なんですね。とはいえ、やはり「真面目で誠実」が根底にある?
そうですね。真面目で誠実だけでは困りますが、真面目で誠実で何か変革を起こしていける人が来てくれたら嬉しいですね。
──やりがいと厳しさは?
一番のやりがいは、自分たちが携わった商品がさまざまな人に届いて、手に取ってもらえることです。普通に生活していて当社の商品は普段の生活の中で、お客様が食べたり飲んだりするシーンを目にすることができるので、純粋に嬉しいし、やりがいを感じます。また、赤ちゃん向けのミルク、シニア向けの商品など、健康に深く貢献している商品もあります。このような社会貢献度の高い商品を扱っていることもやりがいにつながります。
一方で、一つの商品ができあがって人々に届くまでにはたくさんのハードルがあります。ハードルをすべてクリアしてようやく届いても、売れる商品もあれば、売れない商品もある。たくさんの失敗があって初めてヒット商品が生まれる。一つの商品の裏側にはたくさんの失敗や、社員が苦労して壁を乗り越えた経験があります。
──面接はどんな形式ですか。
事務系は3回。1次がグループディスカッション(GD)、2次は1対1の個人面接。3次が最終の個人面接で人財部長が行います。
「研究開発コース」は1次が1対1の人事面接、2次が研究員による研究所面接、3次が最終です。
「生産技術」「エンジニアリング」「酪農」は1次が人事面接で2次が最終面接です。
技術系の最終面接は各部門の部門長が行います。
──事務系のGDは何を見ますか。
いわゆるコミュニケーション能力ですね。ただし、ただ話すのがうまいとか仕切るのがうまいというよりは、メンバーと協力しながら議論を進めることができるかどうかが大切だと思います。時間は40分程度で、テーマは森永乳業に関するもの、関係しないものなどさまざまです。
──個人面接は?
2次面接はESに書いてあることが中心で20分程度です。ESの800字でかなりの情報がありますが、そこをさらに深く聞いていきます。もしくはそれ以外の経験で、その人のパーソナリティーを見ていきます。困難をどう乗り越えてきたか、学生時代の経験から確認します。
──桑野さんが聞くポイントは?
私が面接でチェックするのは、思考と行動がどう結びついているかですね。「どう考えてどう動いたか」。人によって考え方や動き方はそれぞれだと思います。その中で個々の本当の強みは何なのかを意識しながら面接をしています。いろいろなタイプの人がいますが、面接時にはその人が森永乳業のどんな場所で活躍できるか、イメージを膨らませています。もちろん思考力や発想力は大切ですが、考えているだけで行動に移せない人やまったく考えずに行動する人では会社で成果を上げていくのは難しいと感じています。
──面接でニュースについて聞きますか。
選考の時点ではあまり気にしませんが、新聞を読むことは非常に大事です。きっかけは「営業で得意先に行くのに必要だから読む」とか「仕事をしていくうえで社会の知識が必要だから読む」ということでいいと思います。
■やりがいと厳しさ
──どんな社員が多いのでしょう?
全体として真面目で誠実な人が多い。これはもしかしたら、これまでの採用の話とはギャップを感じるかもしれません。当社は2017年に100周年を迎えましたが、2世紀目に入り、変わっていこう、もっと成長していこうという気運が高まっています。これから入ってくる人は、会社を自分の手で変えていくんだ、森永乳業の2世紀目を担っていくんだという気概がより大事です。
──それが「ナンバーワンインターン」「真っ白な情熱」「ダイバーシティ重視」なんですね。とはいえ、やはり「真面目で誠実」が根底にある?
そうですね。真面目で誠実だけでは困りますが、真面目で誠実で何か変革を起こしていける人が来てくれたら嬉しいですね。
──やりがいと厳しさは?
一番のやりがいは、自分たちが携わった商品がさまざまな人に届いて、手に取ってもらえることです。普通に生活していて当社の商品は普段の生活の中で、お客様が食べたり飲んだりするシーンを目にすることができるので、純粋に嬉しいし、やりがいを感じます。また、赤ちゃん向けのミルク、シニア向けの商品など、健康に深く貢献している商品もあります。このような社会貢献度の高い商品を扱っていることもやりがいにつながります。
一方で、一つの商品ができあがって人々に届くまでにはたくさんのハードルがあります。ハードルをすべてクリアしてようやく届いても、売れる商品もあれば、売れない商品もある。たくさんの失敗があって初めてヒット商品が生まれる。一つの商品の裏側にはたくさんの失敗や、社員が苦労して壁を乗り越えた経験があります。
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