北朝鮮ミサイル問題 各国の関係性に注目を（ニュース★あらもーど 2月1日~2月7日）

　重大な国際問題が起きると、それに関わる各国の立ち位置や関係がよく分かるものです。今回の北朝鮮のミサイル発射に関係する記事もそうです。主なプレーヤーは日本、米国、韓国、中国、ロシア、そして当の北朝鮮。ちょっと難しいかもしれませんが、本日付の朝日新聞総合面と国際面を読んでみてください。それぞれが個別の事情と共通の利害を持ちながら駆け引きを繰り広げている状況が伝わってきます。６カ国の間には相互に計15本の線が引けますが、それぞれの関係をメモしながら読んでいくのもいい学び方です。自分で図や表に整理すること自体が情報処理能力を高めますので、気になるニュースについてはぜひ試してみるといいですよ。

　写真は１月14日付朝日新聞東京本社版朝刊、「ボッティチェリ展」の２面続きの記事を使ったバッグです。
　毎週月曜は１週間のニュースのうち、みなさんと共有したい話題をお届けする「ニュース★あらもーど」の日。火曜～金曜日の「今日の朝刊」通常版とともに、ご活用ください。（朝日新聞教育総合本部ディレクター・真下　聡）

ニュースダイジェスト

★【感染症】「ジカ熱」中南米拡大、WHOが緊急事態宣言 (2/1.Mon)

　蚊が媒介する感染症「ジカ熱」が中南米で拡大しており、世界保健機関（WHO）が緊急事態を宣言した。新生児の小頭症との関連が疑われており、妊婦の感染に強く注意を促している。ジカ熱自体の症状は軽い。深刻なのは、新生児の小頭症や、筋力低下などを伴う神経疾患「ギラン・バレー症候群」などとの関連が疑われていることだ。病気とジカ熱の関わりを科学的に証明するのは困難が伴いそうだが、WHOは今後１年で最大400万人の感染者が出ると警告している。ワクチンや治療法、簡易な診断法もまだない。中南米ではリオデジャネイロ五輪を控えるブラジルやホンジュラスが非常事態を宣言するなど、各国が対策に動き出している。厚生労働省は流行地に渡航する人に対し、蚊に刺されない対策を呼びかけ、妊婦には渡航を控えることを勧めている。

★【事件】清原元選手、覚醒剤所持で現行犯逮捕（2/2.Tue）

　自宅で覚醒剤を所持していたとして、警視庁は元プロ野球選手の清原和博容疑者（48）を覚醒剤取締法違反（所持）容疑で現行犯逮捕した。「私のものに間違いありません」と容疑を認めているという。清原容疑者は自宅マンション室内で覚醒剤約0.1グラムを所持していた疑い。警視庁は自宅から注射器やパイプも押収している。清原容疑者はＰＬ学園高校の主力として夏の甲子園で２度優勝。ドラフト１位で1986年に西武ライオンズに入団した。FAで巨人に1997年に移籍し、2008年にオリックス・バファローズで現役引退した。引退後は、テレビやＣＭに出演していた。逮捕を受け、兵庫県西宮市の甲子園歴史館は清原容疑者のPL学園高時代のユニホームと帽子、バットの計３点の展示を取りやめた。

★【経済】３メガ銀、定期預金金利下げ　マイナス金利受け（2/5.Fri）

　日本銀行のマイナス金利政策の導入決定を受け、みずほ銀行など３メガバンクは定期預金の金利を８日から引き下げる、と発表した。みずほは、金額が多い預金を優遇する金利の上乗せをすべてやめる。他の２行も７年以下の定期預金で上乗せをなくす。日銀の新政策による預金者への影響が広がってきた。みずほは預ける金額にかかわらず、１年以下は年0.025％、２～５年は年0.030％、６～７年は年0.040％などとする。三菱東京ＵＦＪ銀行と三井住友銀行は年0.025％に統一。８年以上での上乗せ分は残す。

★【地震】台湾でM6.4、死者・不明150人超　16階マンション倒壊（2/6.Sat）
　台湾南部・高雄で６日未明、マグニチュード6.4の地震があった。台湾全体で７日夜現在で34人死亡、516人が負傷。約90人が入院している。高雄の隣の台南市で16階建てマンションが倒壊し、118人が行方不明となっている。台南市では９棟が全半壊、５棟が傾いたが、被害はこのマンションに集中。マンション周辺のほかの建物には大きな被害が出ていないこともあり、台湾メディアでは欠陥工事の可能性が指摘されている。台湾では６日から春節（旧正月）の連休に入っており、帰省ラッシュに当たっていた。

★【国際】北朝鮮、ミサイル発射　沖縄上空通過、宇宙到達か (2/7.Sun)

　北朝鮮が北西部の平安北道（ピョンアンブクト）・東倉里（トンチャンリ）から「人工衛星の打ち上げ」と称して長距離弾道ミサイルを南に向けて発射した。機体は沖縄上空を通過して飛行。韓国政府は機体の一部が宇宙空間で軌道に乗ったとみている。防衛省によると、ミサイルの機体は分離し四つが落下、うち一つは北朝鮮の予告区域外に落ちた。韓国国防省によると、１段目は分離した後に爆発し、270以上の破片が飛び散ったという。北朝鮮の朝鮮中央テレビは、国家宇宙開発局が運搬ロケット「光明星（クァンミョンソン）号」を打ち上げ、地球観測衛星「光明星４号」を高度500キロの軌道に進入させるのに完全に成功したなどと報じた。北朝鮮は安保理決議で弾道ミサイル技術を利用したすべての発射が禁じられており、今回の発射も安保理決議に違反する。北朝鮮は１月６日の４回目の核実験を受けて高まった国際社会の非難を無視した形で、今後は国連安全保障理事会が、実効性ある制裁で合意できるかが焦点となる。

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