2015年04月13日

ニュース★あらもーど(4月6日~12日)

テーマ:週間ニュースまとめ

 骨折や病気のために療養生活を送っていた作家で僧侶の瀬戸内寂聴(じゃくちょう)さん(92)が8日、京都市で2014年5月以来、約11カ月ぶりに法話を行いました。法話とは僧侶など仏教に携わっている人が、仏教の教えに基づいた話をわかりやすく説き聞かせることで、「説教」ともいいます。説教というと、いまではあまりいいイメージがありませんが、本当は「ありがたいお話」なのです。
 寂聴さんは聴衆300人以上を前に、「生きているのが当たり前と思っていたが、皆さんにお会いできるのが不思議なこととわかった」と話しました。「(生かされた)この命を何に使うか。作家だから小説を書きたい。『戦争はするな』『原発はいらない』と言い続けたい」とも言っています。

 みなさんも、これから40年以上、何らかの形で働いていくことでしょう。就活はみなさんの「命の使いみち」を考える大事な機会です。近視眼的な「有名だから」「給料がいいから」「福利厚生が充実しているから」といった基準でない「何か」をぜひ見つけてください。

 毎週月曜は1週間のニュースのうち、みなさんと共有したい話題をお届けする「ニュース★あらもーど」の日。火曜~金曜日の「今日の朝刊」通常版とともに、ご活用ください。(副編集長・奥村 晶)

ニュースダイジェスト

★【過労死】「過労死ゼロ」目標 厚労省が防止大綱の骨子案(4/6.Mon)

 厚生労働省が過労死を防ぐための対策をまとめた「過労死防止大綱」の骨子案を発表した。「将来的に過労死をゼロにする」ことを目標にかかげたが、働きすぎを防ぐ新たな数値目標は盛り込まれなかった。骨子案は労働者、経営者の代表や過労死の遺族らでつくる協議会に示された。過労死認定された人の労働時間の調査や、学生に過労死問題を伝える体制づくりに取り組む。
 2014年夏に過労死等防止対策推進法が成立したのを受けて、厚労省は6月までに大綱をまとめる予定。

★【教科書検定】政府が初めて加筆指示 「政府見解に基づく記述がない」(4/6.Mon)

 2016年度から使われる中学校の教科書について、文部科学省が検定結果を公表した。社会科の検定基準が変わって初めての検定で、「東京裁判」「慰安婦」などの記述に関して、政府の統一的見解が盛り込まれていない、などとする意見が6件ついた。今回の検定では初めて特定の事柄を加筆するよう促し、政府の主張が教科書に反映される形となった。
 文科省は2014年1月、社会科の検定基準に「政府見解がある場合はそれに基づいた記述」「近現代史で通説的な見解がない数字などはそのことを明示」などを追加した。改定は教科書が妥当かどうかを見ていた検定に、具体的な事柄の記述を求めるルールが加わる大きな転換だった。今回の検定結果について、民主党の細野豪志政調会長は「教科書の記述の幅がかなり狭まった。教科書が政府広報のようになるのであれば違和感を覚える」と指摘した。

★【新ターミナル】成田にLCCターミナル 22年半ぶりの新設(4/8.Wed)

 成田空港に格安航空会社(LCC)専用のターミナルがオープンした。同空港では三つ目のターミナルで22年半ぶりの新設。24時間利用できる休憩スペースなど、早朝便も多いLCCに対応している。ライバル羽田空港が国際化でビジネス客を取り込みつつあるなかで国際拠点として生き残りを図ろうとしている。
 新ターミナルは「空港第2ビル駅」から徒歩15分。午前4時開店のフードコートや、横になれるソファベンチを設置。家電やファッションなどを扱う総合免税店は680㎡あり、成田空港で最大の面積となる。
 2008年にジェットスター航空(豪州)が就航したのを皮切りに現在、成田空港には国内4社、海外10社のLCCが乗り入れている。新ターミナルには国内3社と海外2社が入居、成田国際空港会社(NAA)では年間550万人の利用客を見込んでいる。

★【予算成立】2015年度予算 賛成多数で可決 過去最大96.3兆円(4/9.Thu)

 政府の2015年度当初予算案が参院本会議で自民、公明両党などの賛成多数で可決され成立した。年金や医療など社会保障費や防衛予算が増えて、総額は過去最大の96.3兆円で、その4割近くを国債発行(借金)に頼った。予算案は安倍晋三首相が2014年末に解散・総選挙に踏み切った影響で編成作業が遅れ、政府・与党は2014年度内の成立を断念。2年ぶりの暫定予算で対応していた。
 
 今後、通常国会の焦点は集団的自衛権の行使容認などを盛り込んだ新たな安全保障関連法案のほか、農協法改正案などに移る。一定の収入以上の働き手の「残業代ゼロ」を可能にする労働基準法改正案や、派遣社員の受け入れ期間見直しを柱とする労働者派遣法改正案など労働関連法案は与野党が対立する審議となりそうだ。

★【戦後70年】激戦の地、パラオ、ペリリュー島を両陛下が慰霊(4/9.Thu)

 戦後70年にあたり、天皇、皇后両陛下は太平洋戦争の戦没者を慰霊するため、激戦地・パラオ共和国のペリリュー島を訪問した。日本から南に約3000km。両陛下がかねて訪問を望んでいた。ペリリュー島では日本側が約1万人、米側約1700人が戦死した。
 1985年に日本政府が建立した「西太平洋戦没者の碑」のほか、米軍の犠牲者を悼む「米陸軍第81歩兵師団慰霊碑」があり、両陛下は双方に花を供え黙禱(もくとう)した。
 訪問に先立ち天皇陛下は「太平洋に浮かぶ美しい島々で、このような悲しい歴史があったことを、私どもは決して忘れてはならないと思います」と述べた。

★【歴史的会談】米・キューバ、両首脳が59年ぶりにパナマで会談(4/11.Sat)

 オバマ米大統領とキューバのラウル・カストロ国家評議会議長が、中米パナマで1961年の国交断絶以来、両国の首脳として初めて会談した。会談は米州サミットの合間に国際会議場の個室で実現、両首脳は早期に大使館を再開させ、国交正常化を進めることを確認した。

 両国首脳の会談はキューバ革命前の1956年以来、59年ぶり。両国は2015年1月から、外交団を相互に派遣し国交正常化交渉を進めている。社会主義体制のキューバ国内の人権問題や米国による対キューバ制裁解除などが正常化への課題。オバマ氏はキューバに対するテロ支援国家指定の解除を数日内に決断する考えをカストロ氏に伝えている。

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