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2019年01月30日

欧州ワイン、2月1日から関税ゼロに!盛り上がる関連業界

食品・飲料

 2月1日午前零時に日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)が発効します。貿易を盛んにしようと日本とEUが輸出入する多くの製品で関税がなくなります。これまでより安く輸出入できるようになるわけで、消費者だけでなく関係する業界は商機とみて盛り上がっています。中でもワインはすぐに関税が撤廃されます。関連業界は、本場ヨーロッパのワインを安く消費者に届けられるとして、小売店では早くも値下げを始めています。また国産ワインも輸出に追い風が吹くとみて力が入っています。当面、国内のワイン市場が広がるのは間違いなく、関係する業界全体が盛り上がっています。国内の酒類市場は人口減少や若者の酒離れなどから徐々に縮小していますが、ワインは拡大基調にあり、まだ成長が期待できそうです。

(写真は、欧州産が7割以上を占めるワイン売り場=東京都渋谷区の明治屋広尾ストアー)

ワイン製造は96%が中小企業

 国税庁によると、国内の酒類全体の出荷量は1999年をピークに下落基調にあります。しかし、果実酒(ほとんどはワイン)は輸入分も国産分も増加する傾向にあります。ワイン製造業者は国内で約230社あり、果実酒製造場数(ほとんどはワイナリー)は年々増える傾向にあります。メルシャンなどの大手企業もありますが、うち96%が中小企業です。ワイナリーの多い都道府県としては、山梨が圧倒的で、次いで北海道、長野、山形、新潟の順になります。

国産ブドウ100%の日本ワインは5%

 国内市場で流通しているワインで最も多いのは輸入のボトルワインで、全体の44%を占めます。次は大きなタンク(バルク)で輸入して日本でそのまま瓶詰めするバルクワインで15%、輸入のボトルのスパークリングワインが9%などとなっています。残りが国内分で、全体の約31%です。国内分には国産ワインと日本ワインがあります。国産ワインは輸入したバルクワインを日本産ワインと混ぜるなどして国内で瓶詰めしたワインです。日本ワインを名乗れるのは、国内で栽培されたブドウを100%使って醸造したワインだけです。日本ワインは市場全体の5%くらいになっています。

(写真は、白ワイン用のブドウ品種を収穫する山梨県内にあるワイナリーの社長)

チーズも関税ゼロで相乗効果

 輸入ワインの関税がゼロになって潤うことが考えられるのは、輸入商社、酒類卸、ワインの小売店などです。値下げにより販売量が増えることが予想されます。利幅をこれまでより大きく設定することも可能です。ワインのおつまみにいいチーズなどの乳製品もEUからの関税がゼロになりますので、ワインと相乗効果が出ることが期待されます。また、日本ワインは輸出が増えそうです。日本ワインの輸出は、2016年で56キロリットルとまだ少ないのですが、2015年から2016年にかけて約26%も増えています。EU向けの関税がゼロになると、本場であり大消費地であるヨーロッパでの飛躍が期待できます。
 
(写真は、チーズの売り場を2倍に拡張した明治屋広尾ストアー)

TPPでチリワインも安くなる

 ワインは昔に比べればずいぶん安くなりました。家飲みなら1本数百円から数千円で楽しめます。EUとの経済連携協定でますます安くなります。さらに朗報があります。TPP(環太平洋経済連携協定)が昨年末、発効しました。協定参加国にはチリやオーストラリア、ニュージーランドなど人気のワイン生産国が含まれています。ワインは発効後8年目に関税がなくなることになっています。少し先ですが、チリワインなども一段と安くなるわけで、ヨーロッパワインと競争が生まれます。消費者にも業界にも喜ばしいことです。ワイン関連業界は飲食料品業界では数少ない成長業界と言えそうです。

世界貿易の4割…日欧EPAで得する業界はここだ!(2018年7月20日のイチ押しニュース)
巨大経済圏「TPP11」が年末に誕生!就活生必須のテーマに(2018年11月2日のイチ押しニュース)も読んでみてください。

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