2024年09月30日

自民党新総裁に石破茂氏 政治ニュースに注目高まる1カ月【週間ニュースまとめ9月24日~29日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 自民党総裁に石破茂氏が選出されました。石破氏は5度目の挑戦で勝利し、念願の総理大臣に就任します。ただ、前途は多難という見方が強まっています。総裁選の決選投票はわずかの差での逆転勝利だったことが示すように、石破氏の党内基盤は強くありません。経済運営ではアベノミクスのような大盤振る舞いはないとみられ、株価は大幅に下がってのスタートとなりました。総裁選の直前には中国が大陸間弾道ミサイルを太平洋に向けて発射し、一方で日本の護衛艦が初めて台湾海峡を通過するなど、日中の軍事的けん制が盛んになっています。

 内憂外患の中、石破氏は10月27日にも総選挙をする方向で検討していると報じられています。立憲民主党の新代表に選ばれた野田佳彦氏は政権交代を訴えています。結果次第で日本の政治は大きく変わります。ここ1カ月ほどの政治ニュースは注目です。(ジャーナリスト・一色清)

(写真・自民党総裁室の席に着く石破茂新総裁=2024年9月27日)

【国際】中国軍が44年ぶり太平洋へICBM発射 林官房長官「強い危機感」
(9/25.Wed)

 中国国防省は25日、中国軍のミサイル部隊「ロケット軍」が同日午前8時44分(日本時間同9時44分)、訓練用の模擬弾頭を搭載した大陸間弾道ミサイル(ICBM)を太平洋の公海へ向けて発射し、予定した海域に落下させたと発表した。香港紙サウスチャイナ・モーニングポストによると、中国が太平洋に向けてICBMを発射するのは44年ぶり。日本政府によると、日本上空は通過せず、被害は確認されていない。日中関係筋によると、中国国防省は米国や豪州などに対して事前に通告。対中抑止を強化する米国や、中国を念頭に置いた米英豪による安全保障の枠組み「AUKUS(オーカス)」への牽制(けんせい)という見方がある。

【国際】海自護衛艦が台湾海峡を初めて通過 軍事活動強める中国を牽制か(9/25.Wed)

 海上自衛隊護衛艦「さざなみ」が25日、中国と台湾の間の台湾海峡を通過したことが政府関係者への取材でわかった。海自の護衛艦が台湾海峡を通過するのは初めて。領空侵犯など日本周辺での軍事活動を活発化させている中国を牽制(けんせい)する狙いがあるとみられる。欧米諸国は台湾海峡を自由に通行できる国際水域と位置づけ、「航行の自由」を主張し軍艦をたびたび通過させている。ただ、中国がそれに反発していることを踏まえ、海自艦艇は海峡の航行を控えてきた。

【社会】袴田巌さん再審で無罪判決 地裁、自白調書など三つの証拠捏造認定(9/26.Thu)

 1966年に静岡県のみそ製造会社の専務一家4人を殺害したとして、強盗殺人罪などで死刑が確定した袴田巌さん(88)の裁判をやり直す再審で、静岡地裁(国井恒志裁判長)は26日、無罪(求刑死刑)を言い渡した。判決は、「自白」した供述調書や犯行着衣とされた「5点の衣類」など三つの証拠捏造(ねつぞう)がある、と認定した。死刑が確定した事件で再審無罪となったのは戦後5件目。検察は、再審の判決に対し控訴できる。ただ、80年代に確定死刑囚が再審で無罪になった4事件を含め、検察が再審公判での無罪判決に控訴した例は近年ないとみられる。

【政治】兵庫県の斎藤知事、出直し知事選立候補表明 「改革止めるわけには」(9/26.Thu)

 兵庫県議会で不信任決議が可決された斎藤元彦知事は26日、30日付で自動失職し、出直し知事選に立候補する意向を正式に表明した。午後3時から開いた記者会見で「まだまだ改革を止めるわけにはいかない。若い世代への投資を続けていくべきだ。知事の仕事をまだまだ続けさせていただきたい」と説明した。斎藤氏は19日の県議会で、内部告発文書への対応をめぐって全議員から自身に対する不信任決議案が共同提出され、全会一致で可決された。同決議は地方自治法の規定で法的拘束力を持ち、斎藤氏は29日までに議会を解散するか、辞職・失職するかを選ばなければならず、判断に注目が集まっていた。

【政治】自民新総裁に石破茂氏、10月1日首相選出へ 決選投票で高市氏破る(9/27.Fri)

 岸田文雄首相の後継を決める自民党総裁選は27日午後、自民党本部で投開票され、石破茂元幹事長(67)=無派閥=が第28代総裁に選出された。総裁任期は3年。10月1日召集の臨時国会で、石破氏は第102代首相に選ばれる。今回の総裁選は、裏金事件を受けて、自民6派閥のうち麻生派を除く5派閥が解散を決めたことから、従来のような派閥単位の政治行動がはばかられるなかで行われた。このため、同一派閥からも複数が名乗りを上げ、過去最多の9人による争いとなった。1回目の投票では、高市早苗経済安全保障相が181票、石破氏が154票だったが、決選投票では石破氏が215票、高市氏が194票だった。

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