2022年02月14日

西武がホテルなど31施設売却へ 鉄道業界、コロナで一変【週間ニュースまとめ2月7日~13日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 コロナ禍で打撃を受けている業界のひとつに鉄道業界があります。旅行客が激減したほか、通勤客もリモートワークの広がりで減っています。ホテル経営に力を入れている会社もあり、そうしたところは宿泊客の減少が追い打ちとなっています。西武ホールディングスは鉄道事業とプリンスホテル事業の両方で打撃を受けていて、ホテル、ゴルフ場、スキー場など31施設をシンガポール政府系の投資ファンドに売却することを発表しました。こうした施設は、つい2年前まで訪日外国人客などでにぎわい、業績は絶好調でしたが、一変しました。鉄道会社は公共交通機関として安定した収入があり、沿線には不動産をたくさん持っているため、好不況の波に影響されにくい業界と考えられていました。しかし今、安定した業界という認識は間違っていたことに気づかされています。航空業界、旅行業界、居酒屋業界など、鉄道業界のほかにもコロナ禍の打撃を受け、コロナ禍が終わるのを今か今かと待っている業界があります。今から100年ほど前に世界で大流行し、5000万人が死亡したともいわれるスペイン風邪は3年で終息しました。コロナ禍はすでに2年を過ぎました。そろそろ終息に向かうのではないかと期待をもっている就活生は多いのではないでしょうか。ただ、今のところはっきりしたことは誰も言えない状況です。(ジャーナリスト・一色清)

(写真は、不動産が売却される「ザ・プリンス パークタワー東京」=プリンスホテル提供)

【経済】東芝が2分割案を正式発表 3分割案に大株主が反発し修正(2/7.Mon)

 東芝は7日、会社を3分割する計画を修正し、デバイス事業だけを切り出して2分割にすると正式に発表した。3分割計画には大株主の一部が反発しており、短期間での見直しを迫られた。空調子会社の東芝キヤリアを、合弁相手である米国の空調大手に約1000億円で売却することも発表した。東芝は3月中に臨時株主総会を開き、修正案についての株主の意向を確かめる。事業再編の推進などを盛り込んだ産業競争力強化法の適用を、国に今年中に申請する方針だ。2023年度の株主総会で2分割案の決議をめざすが、株主の理解を得られるかどうかはわからない。

【国際】台湾、日本食品の禁輸の大半解除 5県産の一部食品は継続(2/8.Tue)

 台湾蔡英文(ツァイインウェン)政権は8日、東京電力福島第一原発事故から約11年間続けてきた福島など5県産の食品の輸入禁止を解除すると発表した。昨年9月には米国が解除しており、禁輸措置を続けるのは中国(香港、マカオを含む)と韓国の2カ国になる。発表によると、地域を対象にした一律の禁輸をやめる。一方で、禁輸対象だった福島、茨城、栃木、群馬、千葉の5県産のキノコ類や野鳥肉など一部食品の禁輸は続ける。また、解禁への抵抗が強い台湾世論に配慮し、5県から輸入する全食品に加え、一部の乳幼児向け食品に対し、輸入時に産地や放射性物質の濃度の検査証明を求める検疫を行うとしている。

【経済】現代自動車、13年ぶりに日本再参入 EV・FCV市場へ厳しい挑戦(2/8.Tue)

 韓国の現代自動車は8日、日本の乗用車市場に13年ぶりに再参入すると発表した。電気自動車(EV)のSUV「アイオニック5」と燃料電池車(FCV)の同「ネッソ」を夏に投入する。脱炭素の流れを受けて市場開拓をねらう。今年は日本のメーカーもEVを相次いで出す予定で、厳しい挑戦になる。現代は世界的な自動車メーカーだが、日本では販売不振で2009年12月に撤退した。今回はEVとFCVという排ガスがないゼロエミッション車で日本勢と競う。張在勲(チャンジェフン)最高経営責任者(CEO)はこの日の都内での説明会に、「日本市場ではカーボンニュートラル実現の役に立ちたい」とのコメントを寄せた。

【政治】欧州に異例のLNG融通 「日本も余裕ない」と心配の声も(2/9.Wed)

 政府は9日、ウクライナ情勢が緊迫する欧州に対し、日本が確保している液化天然ガス(LNG)の一部を融通すると表明した。米欧の要請を受けた異例の対応だが、国内の発電量の約4割をLNGに頼る日本も余裕はない。融通量は少量にとどまる見通しだ。萩生田光一経済産業相は9日午後、欧州連合(EU)のフロア駐日大使、米国のエマニュエル駐日大使と相次ぎ会談し、融通の方針を伝えた。萩生田氏は記者団に「国民生活に支障をきたすようなことはしない。寒い冬がさらに続いても、この部分は大丈夫だと計算した上で余剰分を協力する」と語った。

【経済】苗場は? 箱根は? 西武が一部プリンスホテルの資産売却発表(2/10.Thu)

 西武ホールディングス(HD)は10日、プリンスホテルやゴルフ場など計31施設の不動産を、シンガポール政府系の投資ファンド「GIC」に売却すると発表した。売却後も、「プリンスホテル」などのブランドは冠したまま各施設の運営は続ける。新型コロナ禍の打撃を受けた鉄道事業者では、経営の立て直しのために保有資産を選別する動きが広がっている。売却するのは、子会社「プリンスホテル」が所有する国内76施設のうち31施設。売却価格は約1500億円を見込む。所有する不動産を減らすことで、資産価値の低下に伴う損失計上のリスクなどを減らして財務基盤の安定を図りつつ、今後はノウハウのあるホテルやレジャー施設の運営に特化したビジネスを増やす。グループで運営する施設を、現在の84施設から今後10年間で250施設に増やす方針も示した。一方、周辺の再開発が進む東京都心の品川・高輪エリアや、リゾート地の軽井沢や箱根の中心部のホテルは、「沿線開発との親和性がある場合などは保有の方がよい」(西山隆一郎取締役)として手元に残した。アウトドア施設やショッピングセンターなど、好立地を生かした事業展開も視野に入れている模様だ。

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