2021年10月04日

トヨタ、三菱電機で不正 みなさんは声を上げる勇気を【週間ニュースまとめ9月27日~10月3日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 トヨタ自動車といえば、日本を代表する企業です。三菱電機も名門である三菱グループの中核的な企業です。両社はこの週、組織的な不正を公表しました。トヨタの問題は系列販売会社の車検不正で、必要な検査をしなかったり検査結果を改ざんしたりしていました。三菱電機は品質認証を満たさない材料を使っていたり、検査をしていないのに検査をしているように装ったりしていました。また、不正を隠ぺいするよう工場長が指示していたことも明らかになりました。社会に出ていないみなさんからすると、そんなことがこうした大企業でどうして長く正されなかったのかと不思議に思うでしょうが、人間は弱いので、不正に気づいても、「これまでこれでよかったのだから今さら波風立てなくても」とか「忙しいのだからこれくらい許される」とか思いがちです。トヨタや三菱電機だけではなく、これまで多くの企業で検査などの不正が明らかになっています。明らかになった企業は、責任者が辞任したり、取引先を失ったり、株価が落ちたり、企業イメージが悪化したりします。隠ぺいすると、明らかになった時のダメージがより大きくなります。もし、みなさんが入った会社で法令などに違反する明らかな不正があり、それに気づいた場合は、勇気がいるかもしれませんが声を上げるようにしましょう。それが会社のためであり、自分のためでもあると思います。(ジャーナリスト・一色清)

【政治】政府、緊急事態宣言を9月末で全面解除 酒類提供は知事判断に(9/28.Tue)

 19都道府県に出している新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言について、政府は28日夕に首相官邸で対策本部を開き、期限の30日ですべて解除することを正式に決定した。8県に適用中の「まん延防止等重点措置」も期限の30日で解除する。菅義偉首相は「ワクチン接種と中和抗体薬の投与が進み、一定の感染が生じても安定的に医療を提供できるようになりつつある」と述べた。10月1日以降、解除地域では飲食店への営業時間の短縮要請を継続しつつ、知事の判断で酒類提供を認める。首相は「(第三者による)認証を受けた飲食店は都道府県の判断で酒類を提供し、営業時間を午後9時までとすることも可能とする。

【政治】岸田文雄氏が新総裁選出、第100代首相へ 決選投票で河野氏を下す(9/29.Wed)

 自民党総裁選は29日、東京都内のホテルで投開票され、岸田文雄前政調会長(64)が決選投票で河野太郎行政改革相(58)を破り、第27代総裁に選出された。10月4日召集の臨時国会で、岸田氏は第100代首相に選ばれる。国会議員票と党員・党友票(地方票)が同数の計764票で争う1回目の投票で岸田氏は、国会議員票でリードし、地方票で上回る河野氏を1票差で抑えてトップに立った。だが、過半数には達せず、上位2人による決選投票にもつれた。国会議員票が全体の約9割を占める決選投票では、議員票で優位に立つ岸田氏が河野氏に差をつけて勝利した。総裁選で岸田氏は、新自由主義的な経済政策の転換を主張。数十兆円規模の経済対策の必要性などを訴えた。また、新型コロナウイルス対策などで「健康危機管理庁」の設置や、自民党役員の任期を制限する党改革も提唱した。岸田氏は衆院広島1区選出の当選9回。2012年に党内の伝統派閥宏池会の会長を引き継ぎ、外相や党政調会長など政府や党の要職を歴任した。昨秋の総裁選に立候補し、菅義偉首相に次点で敗れていた。

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【社会】トヨタ販売店の不正車検、計6659台に拡大 「現場に無理させた」(9/29.Wed)

 トヨタ自動車は29日、7月に公表した事案を含め、系列販売会社14社15店舗で1501台の不正車検が確認されたことを明らかにした。トヨタ系販売店の不正は、これらとは別に今年3月、愛知県の販売店でも5000台超が判明。不正車検は、あわせて15社16店舗で6659台に膨らんだ。不正発覚の販売店では、排ガスの成分や速度計について必要な検査をしなかったり、ヘッドライトの検査結果を改ざんしたりしており、道路運送車両法に違反した疑いがある。車検にかけるスピードを優先し、整備士不足のなかで業務が過密になり、不正が行われたとみられている。トヨタの佐藤康彦・国内販売事業本部長はオンラインで記者会見し、「お客様の安心と安全を優先せず、それらを損なう結果になったことを何より重く受け止めている。営業成果重視、目標達成型のマネジメントにより、現場に無理をさせていた」と述べて陳謝した。

【経済】ホンダ、宇宙事業に参入 2020年代にロケットの打ち上げ目指す(9/30.Thu)

 ホンダは30日、宇宙事業への参入を表明した。小型の人工衛星を載せるロケットを開発し、2020年代のうちに打ち上げることをめざす。国内の大手自動車メーカーが、商業用の打ち上げロケットを本格的に新規開発するのは初めてという。月面で作業できるロボットなども検討していく。ホンダはバイクや自動車、航空機など様々なものをつくってきた。宇宙事業は利益を出しにくいが、新領域に挑戦し、将来の成長の芽を育てたい考えだ。小型の人工衛星は、通信や地球観測などでの利用拡大が見込まれる。まずは高度100キロ程度の地球を周回しない「準軌道」に打ち上げ、距離を伸ばしていく方針だ。若手技術者を中心に2019年末から開発をスタートした。エンジン開発で培った燃焼技術を応用する。火星探査の中継地として想定されている月面での居住空間づくりにも参画する。宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で、生活に必要な水や酸素のシステム開発を進める。

【経済】三菱電機、柵山正樹会長が引責辞任 空調設備など検査不正相次ぐ(10/1.Fri)

 三菱電機は1日、長崎製作所(長崎県時津町)などでの検査不正問題を受けて柵山正樹会長が引責辞任すると発表した。取締役会の会長も退任し、6月に就任した経団連の副会長職も同日付で辞任する。
 また、同社は名古屋製作所可児工場(岐阜県可児市)と長崎製作所(長崎県時津町)における品質や検査の不正について、調査報告を公表した。可児工場では工場長が不正を知りつつ、隠蔽(いんぺい)を指示していた。長崎製作所でも管理職が問題を把握し、本社にも一部報告していたが、十分な対応がとられなかった。組織ぐるみで不正が行われていたことを裏付ける。

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