2016年06月27日

来年の就活にも影響?英のEU離脱(ニュース★あらもーど 6月20日~6月26日)

テーマ:週間ニュースまとめ

 英国民が欧州連合(EU)からの離脱を選びました。株式や外国為替市場が激しく反応しましたが、この選択の影響はさまざまな所に及ぶため、時間が経てば元に戻るという一過性のものではないと思います。現に英国では、EU残留が多数だったスコットランドに英国からの独立を求める動きが再燃しています。欧州各国では、この国民投票に続いてEU離脱を求める動きが激しくなることが予想されています。アメリカ大統領選挙に対しても、クリントン・トランプ両陣営のどちらに有利に働くのか簡単には見通せません。

 世界はとても不安定な時代に入りました。そして日本もそれから逃れることはできません。来年度の就職活動状況にも、おそらく影響が出てくることでしょう。政治、経済、国際ジャンルの記事を普段はあまり読まない方でも、これからは少しずつ、がんばって読む事をお勧めします。知ることは、自分の身を守る第一歩です。

 写真は5月25日付朝日新聞朝刊、「オバマ大統領広島訪問へ」の特集記事を使ったバッグです。
 毎週月曜は1週間のニュースのうち、みなさんと共有したい話題をお届けする「ニュース★あらもーど」の日。火曜~金曜日の「今日の朝刊」通常版とともに、ご活用ください。(朝日新聞教育総合本部ディレクター・真下 聡)

ニュースダイジェスト

【企業】ソフトバンク、アローラ副社長退任 破格報酬の後継候補(6/21.Tue)

 ソフトバンクグループ(SBG)は、孫正義社長(58)が自身の後継者候補としていたニケシュ・アローラ副社長(48)が22日の株主総会を最後に退任する、と発表した。直前に首脳人事が変わる異例の事態だ。SBGによると、アローラ氏は数年内に孫氏に代わってトップとして指揮をとりたい意向だったが、孫氏は当面、自身が指揮をとりたい考えだった。トップの座を譲る時期で両者の考えにずれがあり、結局、アローラ氏が退任を決めた。アローラ氏は7月1日付で顧問に就く。アローラ氏はインド出身。米携帯大手Tモバイルを経てグーグルに移り、同社の最高ビジネス責任者に就任。孫氏が2014年、165億円の高額報酬で招き、2015年も約80億円という破格の報酬だった。

【米大統領選】クリントン氏、TPP再交渉を明言(6/21.Tue)

 米大統領選で民主党の指名獲得を確実にしたクリントン前国務長官が、経済政策についてオハイオ州で演説し、現行の環太平洋経済連携協定(TPP)に反対し、関係国と再交渉する考えを示した。同氏がTPP再交渉を明言したのは初めて。共和党のトランプ氏の主張については、不況を招くとし、「米国経済にとって危険だ」と批判した。クリントン氏は「私は貿易については厳しい姿勢で臨む」と強調。特にTPPについては、「賃金引き上げや高賃金の雇用創出のための私の基準を満たしていない」とし、「TPPのような、米国民のためにならない貿易協定は再交渉すべきだ」と述べた。米国内では、雇用保護の観点からTPPへの反対論が根強く、大統領選でも焦点になっている。安倍晋三首相は、米国から協定の再交渉を求められた場合の対応について「あり得ない」と語っており、クリントン氏が大統領に就任し、関係国に再交渉を求める事態になれば、日米の懸案になるのは必至だ。

【PC】「ウィンドウズ10」更新、消費者庁HPに異例の注意表示 (6/22.Wed)

 米マイクロソフトが提供する最新の基本ソフト(OS)「ウィンドウズ10」への更新をめぐり、利用者から「勝手に更新された」といった不満の声があがっていることを受け、消費者庁は更新に関する注意点をまとめ、同庁のホームページで公表した。消費者庁が個別企業の商品・サービスに関して注意点を示すのは、欠陥に伴うリコールや悪質商法を除けば異例という。同社はセキュリティー向上などを理由に「10」への更新を推奨しており、7月29日までは無料。当初は利用者が日時を設定し更新する方法だったが、5月中旬から同社が更新日時を指定し、画面に通知。利用者が日時の変更やキャンセルを行わない限り、自動的に更新する方法に改めたことから、知らぬ間に更新されたと感じた利用者などから不満が出ていた。

【都議会】リオ五輪の議員団視察、中止決定 高額批判に配慮 (6/24.Fri)

東京都議会は今夏のリオデジャネイロ五輪・パラリンピックの議員団27人の視察を中止することを決めた。持ち回りの議会運営委員会理事会で合意した。宿泊費の高騰などで、総経費が6200万円の予算を大幅に上回る1億円前後になる可能性があり、舛添要一前知事の高額な海外出張費を追及した都議会は、世論の反発を招きかねないと判断した。計画では、自民と公明、民進系2会派の計4会派の都議27人が、五輪とパラリンピックの開会式と閉会式に合わせ、4回に分けて現地入り。競技会場の運営や安全対策などを確認する予定だった。だがホテル代が条例の上限額の10倍近くまで高騰し、一部の会派が派遣規模の縮小などを検討していた。

【国際】英、EU離脱へ 国民投票51%占める キャメロン首相、辞意表明 (6/24.Fri)

 欧州連合(EU)からの離脱を問う英国の国民投票は、開票の結果、離脱票が残留票を上回った。英国は、28カ国に拡大したEUから脱退する初めての加盟国となる。自ら率いた残留派の「敗北」を受けて、キャメロン首相は辞意を表明した。選挙管理委員会が発表した開票結果は、「離脱」1741万742票(51.9%)、「残留」1614万1241票(48.1%)、無効票2万5359票だった。投票率は72.2%で、2015年5月総選挙の66.1%を上回った。EU基本条約の規定によれば、英国が進める離脱交渉の交渉期間は2年で、延長もできる。また、英国は欧州の単一市場へのアクセスを失うため、改めてEU側と関税などの貿易協定の交渉をすることになる。 EUのトゥスク首脳会議常任議長(大統領に相当)はユンケル欧州委員長(首相に相当)、シュルツ欧州議長、首脳会議の議長国オランダのルッテ首相と協議。会合後の声明で、英側に「できる限り早く」手続きに入るよう求めた。

※英のEU離脱に関する影響については、今日の朝刊「英がEU離脱すると就活に影響!? やさしく解説」(2016年6月14日)、「英国のEU離脱で、金融のお勉強!」(2016年6月24日)も読んでください。

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