ニトリ、中国に出店へ (8月30日朝日新聞朝刊)
家具大手ニトリホールディングスは29日、中国に初めて店を出すと発表した。内陸部の湖北省武漢市のショッピングセンター内に、約2千平方メートルの店を10月1日に開く。店名は「NITORI」。
家具大手ニトリホールディングスは29日、中国に初めて店を出すと発表した。内陸部の湖北省武漢市のショッピングセンター内に、約2千平方メートルの店を10月1日に開く。店名は「NITORI」。
共産党の独裁国家である中国では、経済政策も党の計画と主導によって進められます。1980年代は当時の指導者の鄧小平氏が、また90年代には江沢民氏が、それぞれ広東と上海に重点を置いて、開発を推進しました。
これらは、いずれも「沿海部」です。つまり中国では、
「一定の期間に、特定地域を集中して開発する」
という政策をとって、経済発展の礎を築いていったのですが、その対象となったのはすべて東部の海沿いの都市でした。
これは、まず豊かになれる地域から豊かになり、ほかの地域を引っ張っていく、という考え方です。「先富論」などと呼ばれました。
そしていま、この発展地域が「内陸部」へと移っています。21世紀になると胡錦涛や温家宝といった指導者によって、北京や天津の周辺で開発が進められます。そして2010年。新たな5カ年計画によって、それまでの沿海部を優先した成長政策が見直されます。「中部崛起」や「西部大開発」などの言葉のもと、内陸振興政策が展開されるのでした。
この中心都市の一つが、今回の記事にある武漢です。
武漢はいま、著しく発展しています。ニトリはここに、約2000平方メートルの店をオープンするそうです。広さとしては、むしろ小さめ。日本国内の店舗の半分以下でしょう。まずは知名度を上げる足がかり、という考えでしょうか。
ところで、今回の記事の3日前にも、武漢に進出する日本企業の話題がありました。登場したのは三菱電機。武漢に建設中の88階建てビルに、エレベーターとエスカレーターを計85台、納めるそうです。それにしても、88階建てとはすごいですね。この都市の勢いが感じられます。
武漢にはこれまでも、ホンダや日産自動車が進出してきました。安価な人件費などを背景にして「生産地」として重視されてた中国ですが、最近はむしろ「消費地」としての地位を高めているのです。とりわけ内陸部は、開発が進んだ沿海部以上にこれからの伸びが見込めるわけで、ますます注目が集まるでしょう。
2024/11/21 更新
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