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2014年09月05日

出版大手の学研と学習塾大手の栄光が提携を強化

教育・生活サービス

学研と栄光 提携強化 (8月30日朝日新聞朝刊)

 出版大手の学研ホールディングスと、学習塾大手の栄光ホールディングスは8月29日、提携を強化すると発表した。これまで教材の相互購入や配送で協力してきたが、今後はデジタル教材の開発や語学教育の研究に共同で取り組む。

【目のつけどころ】少子化時代を生き残る教育関連会社の工夫とは

 通常ならば新聞の「経済面」というページに載る記事ですが、これは「社会面」に載りました。関連の深い大きなニュースが、社会面にあったからです。

「代ゼミ 崩れた方程式」

 と題した記事がそれ。この日の社会面のトップでした。

 大手予備校の代々木ゼミナール(東京都)が、大学受験生を対象とした主な全国模擬試験を来年度から廃止し、全国にある校舎の約7割も閉鎖することを発表しました。駿台、河合塾と並んで、代ゼミが「3大予備校」と呼ばれていた時代を身近に感じてきた世代にとっては、衝撃的なニュースでした。

 背景にあるのは、言うまでもなく少子化です。代ゼミは大規模なリストラに踏み切る理由を、「少子化に伴う受験人口の減少や現役志向の高まりに伴う浪人生の減少」と説明しています。

 そしてこれは、今回の学研と栄光ゼミナールの提携強化の理由と、まさに同じなのです。栄光ゼミナールが発表したプレスリリースには、率直にこうあります。

「現在、国内の教育事業の分野においては少子化の影響を受け、競争は激化の一途をたどっております」

「このような背景の中、当社と学研の融合によるシナジー効果により、両社の新たな付加価値の創出が実現すると判断しました」

 教育業界はいま、この危機を乗り越えるため、さまざまな提携関係が結ばれています。学研ではすでに、個別指導大手の「明光義塾」や小中高校生向け進学塾「市進学院」とも株式を持ち合っていました。栄光ゼミナールには、Z会が多額の出資をしてきました。

 塾だけに頼らない、幅広い収益源を確保する動きも見られます。栄光グループでは、小学生を対象とした保育施設の運営をスタートしたばかり。学童人口の伸びはすでに横ばい状態です。教育関連の企業は、この逆境の中で、なんとか市場拡大を図ろうと、さまざまな工夫をしているのですね。

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