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2014年07月01日

昭和55年 「無印良品」誕生

流通

あのとき・それから 昭和55年 「無印良品」誕生 (6月28日朝日新聞夕刊)

 1983年、東京・青山に、れんが壁のモダンな建物が出現した。旧家の古い材木を使った棚には、クラフト紙の包装、再生紙のノート、漂白しない木綿のTシャツ。「無印良品」の路面店1号店だ。

【目のつけどころ】 ブランドとは何か

 一つの企業や製品の栄枯盛衰を、大きな歴史の流れの中できっちりととらえ直してみる。背景となったさまざまな社会情勢や政治・経済の動きとの関わりを、丁寧にときほぐして見つめることで、世の中のあり方についての深い理解が得られます。

 今回の記事は、そんな試みのかっこうの素材となるでしょう。取り上げられているのは「無印良品」というブランド。一見すると「経済記事」でありながら、そこには、企業や製品というものが日本文化とどのような関わりを持っているのか、という大きな視点があります。記事を書いた記者も経済部ではなく文化部の所属。これまで週刊誌「AERA」などでも取材経験を持ち、幅広い分野をカバーしてきました。

 無印良品が企画されたのは、1970年代の終わりのこと。スーパー西友が自社開発したプライベートブランド(PB)として始まりました。2回にわたるオイルショックをへて、消費は落ち込み、ライバルのスーパーなどが低価格商品のPB戦略に大きく舵を切った時期でした。しかし、それらライバル社のPB商品の売れ行きはそれほど芳しくなかったと、記事は伝えています。そこで無印良品は「良い品」の提供を理念に掲げました。

 以降の動きについては、ぜひ記事を読んで下さい。1980年代のバブル景気における好調期を謳歌しながら、1990年代のバブル崩壊後は失速します。世はユニクロや100円ショップが急成長する時期。しかし無印良品はへこたれませんでした。品目数や店舗を大幅に見直し、V字回復に成功するのです。

 記事に登場する識者らは、こうした変革のバックグラウンドとなった「日本人の美意識」や「生活思想」という問題までも、読み解いていきます。堤清二や田中一光といった、一時代を築き上げた伝説の経営者やデザイナーの名前も数多く登場します。

 無印良品という一つのブランドを通して「商品とは何か」「ブランドとは何か」という問題までも考えることが出来る。大胆で読みごたえのある記事です。

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