伊藤忠がウンガロ販売権 (6月24日朝日新聞朝刊)
伊藤忠商事は23日、仏高級婦人服ブランド「エマニュエル・ウンガロ」の日本での独占輸入販売権を取得したと発表した。2015年から子会社を通じて販売する。ウンガロは鮮やかな色使いのプリント柄が特徴で、世界のセレブらに人気がある。
伊藤忠商事は23日、仏高級婦人服ブランド「エマニュエル・ウンガロ」の日本での独占輸入販売権を取得したと発表した。2015年から子会社を通じて販売する。ウンガロは鮮やかな色使いのプリント柄が特徴で、世界のセレブらに人気がある。
華やかな装いのファッション・ビジネスの世界で、業界の裏方として奮闘しているのが商社です。三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅の5大商社の中で、とりわけファッション業界との結びつきが強いと見られているのが、伊藤忠商事でしょう。
今回の記事では、フランスの高級ブランド「ウンガロ」の独占販売権を伊藤忠が獲得したことが報じられています。きっと背後では、複雑な駆け引きや争奪戦があったのだろうと想像できます。
そうした内幕の一端を、かつて伊藤忠の社長が赤裸々に語ったことがありました。岡藤正広社長が、経済専門誌のインタビューに応え、イタリアの高級ブランド「アルマーニ」の販売権をめぐって「大手デパートと激しくやりあった」と振り返っています。
その際の岐路となったのは、やはり交渉力でした。伊藤忠の担当者は、まずアルマーニ氏の父親と親しくなります。その縁から、日本進出に関わる重要人物を特定し、「進出にあたって重視すること」についての本音を聞き出したそうです。
通常なら、相手が重視するのは「取扱高や出店の立地などの条件だろう」などと想像するところでしょう。争奪戦を展開していたライバル企業も、そのように考えていたようです。しかし、アルマーニ側が重視していたのは「節税対策」であると、岡藤会長はこの重要人物から聞き出せたそうです。そこで、節税対策を中心とした綿密なプレゼン戦略を展開して、この高級ブランドを手に入れたそうです。
商社はこのように、海外高級ブランドと密接に結びついています。一例を挙げると、こうです。
三井物産 ポール・スチュアート、ピエール・カルダン、マリ・クレール……
住友商事 マーク・ジェイコブス、ナラカミーチェ、フェイラー……
では、ほかの商社は? 三菱商事は長年、ユニクロの海外展開に密接に関わってきました。丸紅は中国最大の総合繊維企業である「上海紡織」という会社と包括提携しています。関心のある会社の動きを追ってみましょう。
2024/11/23 更新
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