タブレットでゼンリン地図 (4月19日朝日新聞朝刊)
個人宅やビル名などの詳細データがわかる住宅地図のサービスを、地図情報大手のゼンリン(北九州市)が17日から、スマートフォンに加えてタブレット端末でも始めた。同社の調査ではスマホなどで地図を見る人が増えているといい、営業職などのビジネス利用を見込む。
個人宅やビル名などの詳細データがわかる住宅地図のサービスを、地図情報大手のゼンリン(北九州市)が17日から、スマートフォンに加えてタブレット端末でも始めた。同社の調査ではスマホなどで地図を見る人が増えているといい、営業職などのビジネス利用を見込む。
経済面に掲載された記事です。そして、この日の経済面にはもう一つ、ネットをめぐる話題が載っていました。「アマゾンがスマホ、グーグルが通販 食い合う米IT」という記事です。
この二つの記事。片方は右ページ、もう片方は左ページと分かれて載ったのですが、共通するテーマを扱っていると感じませんか?
米国のIT企業をめぐる記事では、通販会社だったアマゾンがスマートフォン事業に乗り出す一方で、スマートフォン向けの基本ソフトを開発してきたグーグルも通販事業に進出する、という動きを伝えています。つまり、アマゾンとグーグルが、お互いの主要分野へと挑戦状をたたきつけているわけです。
そうです、こうした「食い合い」の動きは、ゼンリンが展開している「地図」の事業をめぐっても激しくなっていますよね。つまり、ゼンリンもまた、この食い合いの当事者であるわけです。
2年前に起きたアップルの「地図騒動」を覚えていますか。アップルがiPadやiPhoneに搭載していた地図アプリの完成度があまりに低かったため、利用者から激しいブーイングを浴び、当時の最高経営者が公式に謝罪するに至ったという出来事です。
それまではiPadやiPhone向けの地図ソフトは、グーグルが提供していました。グーグルの地図ソフトは完成度が高く、使いやすいと評判でした。しかしアップルが自社開発に転じたため、便利なソフトが使えなくなり、利用者の不満が高まった時期があったのです。
スマホやタブレットなどの携帯端末にとって、「地図」は非常に大切な分野。その地図サービスを、ゼンリンがタブレット向けでも開始します。出版物としての地図の市場が伸び悩み、ゼンリンなどの地図情報会社では、ITをにらんだ動きを強めています。「食い合い」がますます複雑になるのでしょうか。注目ですね。
2024/12/12 更新
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