輸出回復 急ブレーキ (4月22日朝日新聞朝刊)
輸入額が輸出額を上回る「貿易赤字」が、2013年度は13・7兆円と過去最大になった。原油や天然ガス、スマートフォンなどの輸入が高どまりする一方、輸出の低迷が続いているためだ。
輸入額が輸出額を上回る「貿易赤字」が、2013年度は13・7兆円と過去最大になった。原油や天然ガス、スマートフォンなどの輸入が高どまりする一方、輸出の低迷が続いているためだ。
日本からの輸出の伸びに、ブレーキがかかっています。記事によると、2013年度の輸入額は前年度と比べて17%増になったのに、輸出額は10%増にとどまりました。原因として、中国の景気減速などが挙げられています。
そこで考えて見ましょう。輸出を主体としている企業や業界には、どんなところがあるでしょうか。それを知るには、何を調べればよいでしょうか。
それぞれの企業の海外売上高比率を知るには、「有価証券報告書」という専門書類を読む方法があります、でも、もっと簡単な手段が「会社四季報」です。会社四季報とは、東洋経済新報社が発行する企業情報のハンドブックのこと。ここに、さまざまなデータがまとめられています。
海外売上高比率が載っているのは、このデータの中の【海外】という項目。試しに、「比率が高そうだな」と予想できる自動車や電機メーカーを見てみましょう。こうなっていました。
トヨタ自動車=70%
日産自動車=76%
ホンダ=81%
パナソニック=47%
ソニー=68%
日立製作所=43%
東芝=55%
どうですか。こうして見ると、日本の製造業はかなりの高い比率で、海外で稼いでいることがわかりますね。
では、これら以外の業界ではどうでしょうか。そもそも「海外売上高の高い業界」には、どこがあるのでしょうか。
これが分かる資料の一つが、国際協力銀行が発表している調査結果です。最新の2013年度のデータでは、主な業界の海外売上高比率はこうなっていました。
精密機械=55%
電機・電子=45%
金属製品=45%
自動車=41%
窯業・土石製品=41%
国際協力銀行の調査によると、日本の企業の海外売上高比率は近年、上昇を続けていいます。この10年間では、平均27%から37%へと増えました。
こうした状況の中での、輸出のブレーキという動きです。関心が高まりますね。
2024/11/21 更新
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