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2014年04月08日

昔ながらの「縦型洗濯機」、根強い人気

家電・総合電機

進化の縦型洗濯機 好調 (4月4日朝日新聞朝刊)

 昔ながらの「縦型洗濯機」が根強い人気だ。このところ増えていた「ドラム式」よりも、ひとまわり小さく、価格も安めな点が受けている。大手家電メーカーも、最近は縦型に付加価値をつけた新製品を出し始めている。

【目のつけどころ】 最近の生活スタイルと洗濯機の売れ行き

 洗濯機には、衣類を上から入れる「縦型」と、横から入れる「ドラム式」があります。
 この二つの売れ行きについては、なんとなく、
「旧タイプの『縦型』よりも、新しい『ドラム式』のほうが人気なのでは」
 といったイメージがありそうですが、実際は逆。昔からある縦型のほうが、最近はシェアを伸ばしているそうです。そんな意外性のある興味深い記事です。
 なぜなのか。理由をさぐることは、背景となる社会情勢の理解にもつながるはずです。考えて見ましょう。

 まずは、この記事やメーカー各社の資料から、両タイプの利点を整理してみます。こうです。
・ドラム式=水量や電気代が少ない、乾燥で衣類を傷めにくい
・縦型=本体の価格が安い、省スペース
 ドラム式の洗濯機とは、要するに「衣類を上から下に落として洗う」というタイプ。これに対して縦型は「ためた水のなかで衣類をこすり合わせて洗う」という方式です。節水や節電といった省エネの点では、ドラム式が優れていることがはっきりしています。
 しかし洗濯機自体の値段では、縦型のほうが安価。サイズも一回り小さくなります。こうしたそれぞれの利点から検討し、消費者はどちらのタイプにするのかを悩んでいることでしょう。

 縦型が人気ということは、ドラム式の利点である省エネや乾燥機能よりも、本体のサイズや価格のほうに軍配をあげていると想像できます。それはなぜでしょうか。
 たとえば、もし共働き世帯の増加などから「夜間に洗濯をする」というケースが増えているならば、むしろドラム式の乾燥機能などがもっと支持されそうですね。しかし、そうなっていません。
 洗濯機の売れ行きを調査したGfKジャパンでは、「まとめ洗い」に注目しています。洗濯物を週末にまとめて洗う傾向が強まっている、というのです。休日の昼間などにまとめ洗いをすれば、乾燥機を使わずに天日干しにもできます。
 それを裏付けるデータもありました。最近は少子化などで世帯人数が減っているのに、洗濯機の容量は増えているのです。
「8kg以上の大容量がシェアを伸ばしてる」
 と、GfKジャパン。そして、これを牽引しているのが縦型タイプとのこと。ドラム式の省エネ効果よりも、まとめて洗って日光で乾かすことで、節水や節電をはかる。そんな最近の生活スタイルが想像できますね。

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