アフリカGDP ナイジェリア 南ア抜き1位 (4月8日朝日新聞朝刊)
ナイジェリア政府が6日に発表した同国の2013年の国内総生産(GDP)が、南アフリカを抜き、アフリカでトップに立った。1990年の前回発表時には含まれなかったIT関連など新興産業に加え、農業、観光業が伸びた結果だ。
ナイジェリア政府が6日に発表した同国の2013年の国内総生産(GDP)が、南アフリカを抜き、アフリカでトップに立った。1990年の前回発表時には含まれなかったIT関連など新興産業に加え、農業、観光業が伸びた結果だ。
主に海外のニュースを扱う「外報面」の小さな記事ですが、注目しましょう。
高い経済成長率をもつなど、勢いのある新興国を指す言葉としては、BRICSがすっかり有名になりました。また、これに続きそうな国々の呼称としてVISTAなどがあります。
BRICSは「ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ」の頭文字を並べた造語。VISTAは「ベトナム、インドネシア、南アフリカ、トルコ、アルゼンチン」です。南アフリカはどちらにも入っていますが、今回の記事に登場するナイジェリアは、どちらにも含まれていません。ナイジェリアはまだ、重要度が低いのでしょうか。
いいえ、そうではありません。たとえば「人口が1億人を超す国は?」という問いに、答えてみましょう。中国、インド、アメリカ……。調べてみると、1億人以上の国は世界に11カ国しかなく、しかもアフリカは1国だけだと分かります。
そう、そのアフリカ唯一の国がナイジェリアです。
今回の記事によると、ナイジェリアでは新興産業が育っている一方で、失業や貧困などの問題を抱えているようです。すると、日本企業はまだあまり進出していないイメージでしょうか。でも、それも間違い。
アフリカ開発銀行などの資料をもとに、ナイジェリアに支店や営業所を設けたり、工場を建設したりしている日本企業を見てみましょう。計画中も含めて、ざっと並べるだけでも電機や自動車、食品などを中心にこんなに数多くあります。
ソニー、ニコン、NEC、パナソニック、日立製作所、
スズキ、トヨタ自動車、日産自動車、ホンダ、
新日鐵住金、第一三共、味の素、サンヨー食品、東洋水産……。
もちろん、これ以外にも大手商社や海運会社などの拠点がありますし、プラント建設会社などが現地で事業を展開しています。
どうですか。これらの企業に就職する人たちは、やがて「赴任先がナイジェリア」ということも、珍しくなくなるかも。こうして見ると、「思いのほか身近なニュースだ」と感じてくるでしょう。
2024/11/23 更新
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