ハウステンボス再建完了へ (12月17日朝日新聞朝刊)
経営再建中のテーマパーク・ハウステンボス(長崎県佐世保市)は16日、計画を5年前倒しして2014年9月期で再建を完了させると発表した。16日の会見で沢田秀雄社長が明らかにした。
経営再建中のテーマパーク・ハウステンボス(長崎県佐世保市)は16日、計画を5年前倒しして2014年9月期で再建を完了させると発表した。16日の会見で沢田秀雄社長が明らかにした。
これはすごいことですね。ハウステンボスは18年間も赤字続きだった巨大テーマパークです。中世のオランダの町並みを再現して、1992年に開業しましたが、2003年に経営破綻していました。
この再建に乗り出したのが、旅行会社のHISです。それからわずか1年。見事に黒字化を達成し、来年には再建を完了させるそうです。今期決算では過去最高益を更新したともいいます。
好調の理由は何でしょうか。
HISでは1000万個の電球を使った大型イベントなど、新機軸を次々と打ち出すことで、入場者を3割も伸ばしました。不調で閉鎖をしていた施設は、「まるでお化け屋敷だ」などと揶揄されていましたが、これを逆手に取るように「お化け屋敷ゾーン」として再スタートするなど、大胆な工夫を凝らしています。
これらの改革は、本来ならば「オランダ」というテーマに縛られた事業としては、禁じ手ともいえるものだったでしょう。しかし、そこにこだわらず、自由で柔軟で発想を展開した。おそらく「ふさわしくない」などという内外の反対意見もあったでしょう。しかし、それを乗り越え、改革を果たしたのです。関係者の苦労を想像すると、拍手を送りたい気持ちになります。
海外からの観光客の増加も、再建を後押ししました。この点については最近、注目すべき記事がありました。12月12日朝刊「日本を訪れる外国人客、初の1000万人」です。
政府は10年前に、「2010年には1千万人」という目標を立てていました。景気低迷や東日本大震災の影響などもあり、3年遅れとなりましたが一つの区切りがつきました。
次の目標は「2020年に2000万人」、そしてさらに「2030年に3000万人」だそうです。旅行業界の今後を考える際、大きなポイントでしょう。
2024/12/04 更新
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