組員融資、信販が実態報告 (12月11日朝日新聞朝刊)
みずほ銀行による暴力団組員らへの融資問題に関連し、茂木敏充経済産業相は10日の閣議後会見で、各信販会社が経産省に出した銀行との提携ローンの実態報告について「適切な措置がとられていたかを速やかに評価して対応を決める」と述べた。
みずほ銀行による暴力団組員らへの融資問題に関連し、茂木敏充経済産業相は10日の閣議後会見で、各信販会社が経産省に出した銀行との提携ローンの実態報告について「適切な措置がとられていたかを速やかに評価して対応を決める」と述べた。
信販会社やクレジット会社、リース会社などは、一般に「ノンバンク」と総称されます。銀行(バンク)と違って、預金などを受け入れずに融資業務をする会社のことです。
このノンバンクは、最近の10年間でもっとも大きな変化と再編にさらされた業界でした。2006年の最高裁判決と改正貸金業法の成立をきっかけに、それまでは黙認されていた年20%超の「グレーゾーン金利」が認められなくなり、過払い利息の返還を求める訴訟が急増。多くの消費者金融業者が経営難に陥り、4年後には最大手だった武富士が破綻しました。
みずほ銀行による暴力団組員らへの融資問題が起きた背景の一つとして、このノンバンク業界の激変もあるでしょう。みずほ銀行は、グループの信販大手であるオリエントコーポレーション(オリコ)を通じて、暴力団組員らに融資をしていました。暴力団にとってオリコは「頼れる会社」であったことが、緒方健二・朝日新聞編集委員らの取材で明らかになっています。
オリコは、グレーゾーン金利の問題が持ち上がった06年の時点では、業績が比較的堅調だったことから、同業他社に比べて事業改革が遅れたことが指摘されています。しかし07年には赤字へと転落。みずほグループの支援のもとで経営再建を進めましたが立ち直れず、グループ会社となりました。
その後も、イオンや楽天などの商業系カードがシェアを伸ばすなど、ノンバンク業界は変化が続いています。こうした経営環境も、事件の背景になっているかも知れません。
現在、多くのノンバンクが銀行との系列関係にあります。3メガバンクについて、主な会社の関係を整理すると、次の通りです。
・三菱UFJ… 三菱UFJニコス(カード)、ジャックス(信販)、アコム(貸金業)
・三井住友… セディナ(信販)、モビット(貸金業)、アットローン(貸金業)
・みずほ… クレディセゾン(カード)、UCカード(カード)、オリコ(信販)
業界の変化やそれぞれの関係について、自分で整理をしてみるとよいでしょう。
2024/12/12 更新
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