業界研究ニュース 略歴

2013年08月12日

空き家はもったいない

建設・不動産・住宅

中古住宅も優良制度 (8月7日朝日新聞朝刊)

 国土交通省は、リフォームで耐震性などを高めた中古住宅を「長期優良住宅」と認定する新しい制度を、2014年度から始める。これまでは新築だけを認定していたが、対象を中古にも広げる。

【目のつけどころ】 中古住宅を評価する意味

 最近、新聞の折り込みなどにマンションや戸建て住宅の広告が多い気がしませんか。そうなのです、いま住宅業界は販売ブーム。「買い時」をアピールする要素がそろっているからです。
 具体的には、
<1>消費税率が来年以降にアップする
<2>デフレが終わり、地価に底値感が出ている
<3>住宅ローンの金利が上昇しそうな気配
<4>景気回復の期待が高まっている
 といった条件が重なって、消費者にも「いまが住宅購入のチャンス」という気分が広がっているようです。
 
 ところで、「これから日本は少子化に向かうのに、そんなに多くの住宅を建てて大丈夫か」ということについて、どう考えますか?
 驚くべきデータがあります。
「日本にいま、空き家は何戸あるでしょう?」
 答えは、なんと756万戸。総務省の「住宅・土地統計調査」によれば、空き家はこの30年間で3倍近くも増加し、今では実に「住宅の13%が空き家」という状況です。しかも上昇はこれからも続く見込みです。
 老朽化した空き家が放置されると、倒壊の危険が高まったり、犯罪を誘発したりする悪影響が心配されます。そもそも住宅は貴重な社会資本で、人が豊かに暮らしていくための礎です。ムダにしてはもったいない。新築住宅ばかりでなく、中古についても売買をもっと活性化する必要があるはず。

 そこで、今回のニュースです。これまで中古住宅の価値を判断する基準は、ほとんど「築年数」だけでした。そこで国土交通省では、新たに客観的な評価基準を導入することで、購入希望者が目安にしたり、所有者がリフォームを進めやすくしたりできると見ているようです。今後の動きに注目しましょう。

アーカイブ

業界別

月別