東芝、医療分野を中核に (8月8日朝日新聞朝刊)
東芝は7日、医療機器事業を半導体、発電と並ぶ新たな「3本柱」の一つにする今後3年間の経営方針を発表した。これまで柱だったテレビ・パソコン事業は解体し、レジやネット通信など成長が見込める分野だけを他の部門に取り込む。
東芝は7日、医療機器事業を半導体、発電と並ぶ新たな「3本柱」の一つにする今後3年間の経営方針を発表した。これまで柱だったテレビ・パソコン事業は解体し、レジやネット通信など成長が見込める分野だけを他の部門に取り込む。
今回はいくつかの記事を関連づけて、読んでみましょう。
まず、この記事のちょっと前、8月6日に、
「設備投資、明るい兆し」
とありました。
「大企業が工場を建てたり新しい機械を取り入れたりする設備投資が、2013年度は大きく伸びそうだ。足もとの株高・円安で前向きな投資が出始めた」
と報じています。ではなぜ、これまでは設備投資が増えなかったのでしょうか。資金がなかったからですか。
いいえ、違います。投資資金はあったのに、投資すべき設備がなかったのです。むしろ日本の工場は、設備が余っていました。モノが売れないから、設備を使い切れなかったのです。だから工場閉鎖や人員削減といったリストラが重ねられてきました。
しかし最近は景気回復の動きがあり、企業も積極的に設備投資に乗り出すようです。伸びが大きいのは、不動産業(31%増)や小売業(19%増)などの非製造業ですが、製造業でも全体平均で10%増となる見通しだとか。
おや? でも気になりますよね。これ、国内の半導体メーカーにも当てはまるのでしょうか。
日本の半導体メーカーは、不調なニュースが続いています。つい先日の8月3日朝刊「甲府工場、閉鎖へ ルネサス、集約で2700人削減」で、日立製作所と三菱電機が共同出資して設立(その後、NECも参加)をしたルネサスエレクトロニクスが、拠点工場を閉鎖するというニュースが流れたばかり。
ほかにも、国内唯一のDRAMメーカーだったエルピーダメモリが会社更生法適用を申請したりと、厳しい状況に見えますが、どうなのでしょうか。
はい、そうです。国内にも好調なメーカーがあるのです。それが、今回の記事でした。
東芝は、事業の中核である「3本柱」の一つを、半導体に据えています。ちなみに東芝の半導体事業については7月3日朝刊で、
「半導体を増産へ 東芝、四日市工場拡大」
という記事も出ています。しかしこれは最小のベタ記事。まったく目立ちませんでした。
東芝の半導体が強いのは、とりわけフラッシュメモリーという独自技術の分野です。この分野で東芝は長年、世界のトップブランドの地位を維持しています。
よいニュースは、しばしば見落とされがち。業界研究のコツですね。
2024/11/23 更新
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