ガンプラ工場、我ら乗組員 (8月19日朝日新聞夕刊)
壁一面に太陽光パネルが輝く近未来的な建物に入ると、宇宙船のようなデザインの自動扉や標識にワクワク感が高まる。バンダイが2006年に建設した「バンダイホビーセンター」(静岡市)はアニメ「機動戦士ガンダム」シリーズのプラモデル「ガンプラ」の国内唯一の生産拠点。
壁一面に太陽光パネルが輝く近未来的な建物に入ると、宇宙船のようなデザインの自動扉や標識にワクワク感が高まる。バンダイが2006年に建設した「バンダイホビーセンター」(静岡市)はアニメ「機動戦士ガンダム」シリーズのプラモデル「ガンプラ」の国内唯一の生産拠点。
楽しい記事です。そして、その楽しさの中に、「ものづくり」に心血を注ぐ人たちの喜びと誇りが、うらやましいまでに感じられます。
ファンにとっては「聖地」にも等しいバンダイのホビーセンター。ガンプラを生み出す社員たちは、アニメの登場人物、地球連邦軍の制服姿です。それぞれの役職に合わせた階級章まで付けています。この、もはや知っている人にとっては「いまさら感」さえある数々の事実も、初めての人には興味深いかもしれません。
まさにクール・ジャパンの典型的な成功例。大ヒット商品であるガンプラをめぐっては、専門書や研究書も数多くあります。例えば松本悟・仲吉昭治著『俺たちのガンダム・ビジネス』は、開発と営業を担当したバンダイ社員自身による好著です。さまざまな苦労を乗り越え、商品化にたどりつく黎明期の社員たちの姿は、「会社とは何か」「働くとはどういうことか」を考える最高のケーススタディーでもあります。
ガンダム、好きですか? いやガンダムに限らず、何か熱中するものがありますか?
そんな自分にとっての一番の熱中を、そのまま企業研究や業界研究の入り口にしてみましょう。自分の最高の関心事だからこそ、最高の研究対象に出来るはずです。
今回の記事では、ホビーセンターの所在地として静岡市がクローズアップされています。あれっ? そういえば模型メーカーの本社や工場って、すいぶんと静岡が多い気がしませんか?
そうです、そう気づいたら早速、そこがスタート。代表格でもあるタミヤ(旧・田宮模型)や、熱烈なファンも多い青島文化教材社やフジミ模型、あるいはイマイ(旧・今井科学)などの今はなき往年のメーカー……。各社の歴史と現在を調べれば、理念だけではないクール・ジャパンの現場が見えてきます。それは、日本のものづくりの姿そのものです。
さあ、トライしてみましょう。
2024/11/21 更新
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