体内の3D映像、目の前に (7月24日朝日新聞朝刊)
ソニーは23日、内視鏡手術に使うゴーグル状の映像表示装置を公開した。医師が頭にはめると、目の前に患者の体内の様子が3D(立体映像)で映し出される。
ソニーは23日、内視鏡手術に使うゴーグル状の映像表示装置を公開した。医師が頭にはめると、目の前に患者の体内の様子が3D(立体映像)で映し出される。
最先端技術を集めた、新製品の話題。発表する企業側の「気合い」の強さを、記事から読み取ることができますか?
この機会に、新製品投入の背景をぜひ自分で調べ、整理しておきましょう。こんな経緯があります。
ソニーは昨年4月に発表した経営方針で、メディカル事業を将来の中核事業の一つに位置づけました。また秋には、医療機器に強いオリンパスとの業務・資本提携を発表。こう高らかに宣言しました。
「ソニーが持つ最先端のエレクトロニクス技術を、オリンパスが持つメディカル事業の基盤と組み合わせることで、外科向け内視鏡などで革新的な製品を創出する」
ではなぜ、ソニーはそんなに医療分野へと力を入れるのでしょうか。理由があります。
「外科用医療機器の市場は、2020年までに7500億円になる」
と、ソニーは予想。オリンパスとの合弁会社では、このうち3300億円が自分たちの関連分野であると見て、20%超のシェア獲得を目標に掲げました。
つまり今回のニュースは、こうした成長分野に投入される期待の新製品の話題なのです。成功すれば業績へのインパクトは絶大。まさに企業の命運さえも左右しそうです。
しかも今回の製品は、ソニー本体での単独事業。同社自慢の技術である有機ELパネルを内蔵し、奥行きのある高精細の立体映像にして見られるのが特徴で、シェア獲得には自信がありそうです。まさにライバル相手だけでなく、身内とも競争している状況と言えるでしょう。
長引くデフレ不況で、成長分野が見通しにくい現代日本。しかし、企業が社運をかけて打ち出す新製品を調べれば、その出口がどこにあるかを考えるきっかけにもできそうです。
2024/11/21 更新
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