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2013年06月28日

困った「ショールーム化」にどう挑む

流通

家電量販、台所も風呂も (6月24日朝日新聞朝刊)

 家電量販店の業績が頭打ちになっている。地上デジタル放送への移行にともなうテレビの需要がしぼみ、安売り合戦も激しい。最大手ヤマダ電機やエディオンは、合従連衡もへて拡充した店舗網を家電以外のビジネスに生かしつつある。

【目のつけどころ】 価格競争、ネット通販

 いま、デパートや家電量販店といった都会の小売店が、大きな難題に直面しています。「通販サイトのショールーム化」という難しい問題です。
 先行する米国では、showrooming (ショールーミング)という新語で呼ばれているそうです。街角にあるリアルの店舗で商品を確認したら、実際の買い物はアマゾンや楽天といった安価なネット通販サイトを利用することを指します。実際の店舗はショールームとしてだけ使い、お金を落とすのは安価なネットで、というわけです。

 デパートや家電量販店は、この現象に対してはなかなか有効な対策を打ち出せていません。ネットと比較すれば、リアルの店舗は店員の人件費も建物の土地代も多くかかりますから、単純な価格競争では不利です。では、どうすればいいのでしょうか。

 今回の記事は、この難題に家電量販店側がどう挑戦していくかを報じたものです。注力する一つが「住宅事業」。最大手のヤマダ電機では、これからキッチンや風呂を店舗で販売していくそうです。2番手のエディオンも浴室やトイレなどのリフォーム事業に力を注ぎ、今年度はこの分野で3割の増収を見込んでいます。

 ヤマダ電機は先ごろ、業績不振を理由に取締役全員を降格にすると決めて、大きな話題になりました。社長に復帰するトップの山田昇会長は、インタビューにこう答えています。
「インターネット社会と少子高齢化のなかで、どうビジネスモデルをつくるかが課題になる」
 家電量販店に限らず、さまざまな業界にとって重要テーマと言えます。

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