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2017年10月25日

iPhoneX発売間近、期待と不安の携帯業界

精密機器・電子機器

ユーザーの不満なく順調にいくか

 米アップルが9月に発表したiPhoneX(テン)の発売日、11月3日が近づいてきました。先行して発売したiPhone8の売れ行きが伸び悩んでいるため、日本の携帯電話大手は「X」の人気に期待しています。一方で、電子部品の供給が計画通りにいっていないため、予定の台数を出荷できない恐れがあることも一部で伝えられています。そうなれば、欲しくてもすぐに手に入らないユーザーがたくさん出ることになり、ユーザーの不満が高まることや取引企業の業績に影響が出ることも考えられます。Xの発売は業界の期待通りに順調にいくのかどうか、注目されます。
(写真は、来月発売のiPhoneX。ホームボタンがなくなり画面が縦に大きくなった=2017年9月13日撮影)

「X」は10周年記念の最高峰機種

 アップルは9月12日に「X」と「8」「8プラス」の新製品3機種を発表しました。「8」「8プラス」は従来モデルの後継で、9月22日に発売されました。「X」はiPhone発表から10周年を記念した製品で、有機ELを初めて使った最高峰の機種と位置づけています。値段は約12万円と従来モデルよりずいぶん高くなっています。10月27日から注文を受け付け、11月3日に発売する予定です。
(画像は、iPhone誕生から10年のあゆみ=2017年9月14日朝日新聞朝刊に掲載)

「8」「8プラス」は「7」超えず

 日本では、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの携帯大手3社が販売します。ソフトバンクの榛葉淳(しんば・じゅん)副社長は朝日新聞のインタビューで、「8」と「8プラス」の売れ行きが前年の「7」を超えていないことを明らかにしました。「7」の3割減という調査会社の調査もあるようです。一方で、榛葉副社長は「X」は人気が予想されるとみていて、3機種を合算すれば過去最大の販売になると期待しています。
(写真は、iPhone8とiPhoneプラス=アップル提供)

出荷は計画の半分か

 ただ、心配なのは「X」の出荷が計画通りにいくのか、ということです。10月25日付の日本経済新聞は「2017年内の出荷量が、当初計画の約半分の2000万台超にとどまる見通しだ」と報じました。理由としては、一部の電子部品の不具合解消に時間がかかったことを挙げています。もともとアップルは、「X」の部品供給が追いつかないために発売日を「8」「8プラス」より1カ月余り遅くしていました。そうした想定よりももっと供給の遅れが出ているというわけです。

気になる品不足の行方

 報道のように人気があるのに品不足となれば、ユーザーは欲しくてもなかなか手に入れられないことになります。携帯電話業界は、「X」の発売を大きなビジネスチャンスとして手ぐすねを引いて待っている状態ですが、思惑がはずれることになります。品不足が深刻な問題になるのか、たいしたことなく解消するのか、あるいはかえって人気をあおることになるのか、品不足なんて起こらないのか、まだよく分かりません。ただ、業界にとってもユーザーにとっても、関係業界を志望する就活生にとっても気になるところではあります。

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