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2015年09月09日

ポイントカードは戦国時代! ビッグデータビジネスにも派生?

流通

Tポイント3倍、連携店拡大 ソフトバンクの携帯利用者対象 (2015年9月8日朝刊)

 ソフトバンクは7日、携帯電話の利用者がファミリーレストランのガストやDVDレンタル店のTSUTAYA(ツタヤ)で買い物をすると、共通ポイントの「Tポイント」を3倍もらえるサービスを10月9日から始めると発表した。
 同様の取り組みをコンビニのファミリーマートと8月から始めており、サービスを拡大する。顧客の満足度を高め、囲い込む狙いだ。事前に登録したTカードを店頭で示せば、ポイントが通常の3倍たまる。

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 日本プロ野球のパ・リーグで首位を独走している福岡ソフトバンクホークスのヘルメットには、今シーズンからTポイントカードのマークがついています。もともとは「TSUTAYA」の会員カードでしたが、2007年にファミリーマート、2010年にヤフー、2012年からENEOSと続々と提携先を広げ、2014年からはソフトバンクの携帯を使うとTポイントがたまるようになりました。さらに東京電力とも提携するなど、今や日常生活に欠かせない存在にまでなりました。「高齢者と地方」という弱点をつぶすべく、図書館や地方のスーパーにも提携先を広げていっています。

 Tポイントカードを追うのが三菱商事系の「Pontaカード」。2010年に誕生し、大手コンビニチェーンのローソンのほか昭和シェル石油、HMV、さらにリクルートやJALとも提携して使い先を増やしています。昨年秋には大手IT企業の楽天が「Rポイントカード」で参入。ポイントカードは「戦国時代」に入ったとも言われているのです。

 提携先を広げてユーザーを囲い込み、購買行動データを融通しあってより効果的な販売をしていくのがポイントカードの戦略。たとえばコンビニの利用状況をもとにして、レンタルビデオ店で使えるクーポンを発行して利用を促す、といった戦略がとられてきました。もっとも、カード戦争が激化しひとつの店舗で複数のポイントカードが使えるようになると、顧客をしっかり囲い込めなくなりビジネスモデルが崩れる危険性も指摘されています。今年5月にNTTドコモがローソンと提携し、ドコモが提供する「dポイントカード」がローソンでも使えるようになったのは、その一例。Pontaカードからすれば自社以外のカードがローソンで使えるようになると、ローソンの客を他のPonta陣営のサービスに誘客する力が薄れてしまいます。

 今後のポイントカード業界は、ためこんだ顧客の購買情報をいかに様々なビジネスに発展させていくかという「ビッグデータビジネス」が主流になるという見方も出ています。9月3日に改正個人情報保護法が成立し、企業や自治体がビッグデータを使いやすくなりました。個人情報の扱い方にはまだ不安点も残っていますが、ビッグデータを使うことでこれまでの発想にはなかったマーケティング手法や効果的な行政手法が編み出されるかもしれません。ポイントカード戦争の動きに今後も注目してください。

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