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2015年03月06日

シャープがメインバンクに支援要請、その方法とは?

家電・総合電機

柱の太陽電池不振 シャープ支援要請検討 (2月26日朝日新聞朝刊)

 経営再建中のシャープが、主要取引銀行のみずほ、三菱東京UFJ両銀行に追加で資本面の支援を要請する検討に入った。液晶テレビや太陽電池といった不振事業で一段のリストラを進めると、2015年3月期の純損益の赤字が1千億円を超える規模に膨らむ可能性があるからだ。

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 国内の大手電機メーカー8社の一角を占めるシャープ。その苦しい台所事情を伝える記事です。経営状態にまつわる内容なので、会計上の専門用語がやや多めに登場します。言葉遣いも難しく感じるかも知れません。この機会にチェックしてみましょう。

 「支援要請」「有利子負債」「劣後ローン」「優先株」「長期格付け」……。
 記事には堅苦しい用語が並びますが、伝えられている中身は大変にシンプルです。要するに「仕事がもうからず、返せないくらい借金が増えたので、助けてください」ということ。
 そして、この「助ける方法」として出てきた具体策が、翌々日の記事でした。見出しは、こうです。
 「1500億円軸に資本増強」

 もしかしたら、ちょっと疑問に感じるかもしれません。「資本を増やす」と「借金を減らす」、どう関係があるのでしょうか?
 その答えが、今回の一番キモとなる専門用語です。「デット・エクイティー・スワップ(DES)」。これまた難しそうですが、意味するところは、単純にその文字のまま。デット(借金)をエクイティー(株式)にスワップ(交換)するということです。
 シャープの再建では、このDESという手法が取られる見通しです。具体的には、銀行にお願いをして、借金を株に取り替えてもらうのです。だから、「借金が減る」=「株式が増える」=「資本の増強」となるわけですね。

 さて、こうして借金を減らす一方、重要となるのは何よりも「事業をどう立て直すか」でしょう。新聞やテレビは、シャープが命運を賭けてきた太陽電池事業からの撤退の見通しを報じています。
 しかし、シャープは公式発表で、今のところ「決定した事実はない」「検討している事実はありません」と繰り返しています。どうなるでしょうか。新しい経営計画は、5月に発表される予定です。

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