Re:お答えします 「缶コーヒー、甘くないミルク入りないの?」 (2月26日朝日新聞朝刊)
缶コーヒーで、甘くないミルク入りを見かけません。なぜでしょう? コーヒー好き女子として20年以上前から疑問です。(大阪府 パート女性 44歳)
缶コーヒーで、甘くないミルク入りを見かけません。なぜでしょう? コーヒー好き女子として20年以上前から疑問です。(大阪府 パート女性 44歳)
経済面の楽しい記事ですね。缶コーヒーを愛する女性からの「自分好みの1本」を求める疑問の声に、記者が答えています。メーカー側の工夫ぶりが伝わります。
ではいま、この「缶コーヒー市場」はどうなっているでしょうか。実は、市場は大きな曲がり角です。数日後には、こんな記事も出ました。
「ネスレ、缶コーヒー市場撤退」
世界的には大きなシェアを持つ「ネスカフェ」ブランドですが、ネスレ日本では缶コーヒーの一般流通での販売から撤退し、3月で生産を終了するそうです。
背景にあるのが、売上げの行き詰まりです。
缶コーヒー市場は1970年代後半、爆発的に拡大しました。この時、大きな力となったのは自動販売機の増加でした。全国清涼飲料工業会などの資料によれば、全国の自販機の設置台数は1975年からの10年間で、500万台から2100万台へと一気に4倍以上に増えています。
しかし、2005年に売上げがピークを迎えてからは減少傾向。スターバックスをはじめとするコーヒー専門店の人気や、美味しいコーヒーを販売するコンビニ、ファストフード店の増加が逆風となりました。
メーカー別のシェアの変化も興味深いところです。これまで圧倒的に強かったのは日本コカ・コーラで、主力の「ジョージア」の売上げは断トツでした。しかし1997年をピークに減少し、2位のサントリー「ボス」が急激に追い上げています。
こうした中、残念ながら脱落していったのがネスレ。今後は、通信販売に限定して、缶コーヒーを販売するそうです。
消費者の心をつかもうと、メーカーは懸命の努力を重ねています。時代の変化と企業の商品戦略を考えるとき、この缶コーヒー市場の変化は、とても興味深い対象ですね。
2024/11/21 更新
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