2025年02月25日

エネルギー基本計画で「原発回帰」 日本の未来決める重要問題【週間ニュースまとめ2月17日~24日】

テーマ:週間ニュースまとめ

 政府が「エネルギー基本計画」を閣議決定しました。電力をどのようにして生み出していくべきか、日本のエネルギー政策に関する中長期的な計画を決めるものです。今回の計画は、原子力発電に回帰する方向性をはっきりさせたことが大きな特徴です。東日本大震災に伴う東京電力福島第一原発事故の反省から打ち出した脱原発の方針から、原発活用にかじを切ったのです。

 原発回帰の理由はいくつかあります。二酸化炭素の排出量を抑えるという国際公約を達成するには二酸化炭素を出さない原発に頼らざるを得ないこと、人工知能(AI)時代がやってきて電力消費量の増加が予想されること、発電量が不安定な再生可能エネルギーを支えるために安定した発電ができる原発が必要であること、などです。ただ、原発には安全性の問題がつきまとい、さらに高レベル放射性廃棄物の最終処分方法も決まっていません。再生可能エネルギー、化石燃料による火力発電、原発の3つをどのように組み合わせるのが最適なのか、日本の未来にとって大切な問題です。政府まかせではなく、わたしたちひとりひとりも最適解について考える必要があります。(ジャーナリスト・一色清)
(写真・廃炉作業が進む福島第一原子力発電所の(左から)2号機、3号機、4号機=2025年1月24日/朝日新聞社)

【経済】「原発回帰」鮮明に エネルギー基本計画とGXビジョンを閣議決定(2/18.Tue)

 政府は18日の閣議で、中長期のエネルギー政策の方向性を示す「エネルギー基本計画(エネ基)」と、その具体策にあたる脱炭素化に向けた国家戦略「GX(グリーン・トランスフォーメーション)2040ビジョン」を正式に決めた。「脱炭素」を旗印に原発回帰を鮮明にし、再生可能エネルギーとともに、産業政策としても大きく後押しする。エネ基はおおむね3年ごとに見直す。原発をめぐっては、東京電力福島第一原発事故の反省から、「原発依存度を可能な限り低減する」との方針を掲げてきたが、今回その文言を削除。原発の建て替え(リプレース)も推進するとした。GX2040ビジョンには、原発周辺に工場を誘致したりする支援策を盛り込んだ。

【国際】トランプ氏、自動車関税は「25%程度」4月公表 薬にも同水準検討(2/18.Tue)

 トランプ米大統領は18日、米国に輸入する自動車や半導体、医薬品に25%程度の関税をかける考えを表明した。鉄鋼・アルミニウムに続く重要品目への関税強化で、企業側に米国での生産を強く求めた。日本も対象になれば、基幹産業である自動車業界や経済全体への打撃は必至だ。トランプ氏は導入を予告してきた自動車関税について記者団から問われ、「4月2日に伝えることになると思うが、(税率は)25%くらいになるだろう」と語った。米国はいま、乗用車に2.5%の関税を課している。

【政治】2025年度予算成立へ、自公維が合意 高校無償化や社保料引き下げ(2/21.Fri)

 自民党、公明党、日本維新の会の政策責任者は21日、国会内で協議し、高校授業料の無償化や社会保険料の引き下げなどを盛り込んだ合意文書案を取りまとめた。3党は党内手続きを経たうえで来週にも党首が会談し、正式合意する。合意文書案には、2025年度当初予算の早期成立も明記されており、予算は成立する見通しとなった。3党は年明けから協議を本格化させてきた。焦点となっていた高校授業料の支援金は、来年度から公立・私立向けの上限年11万8800円について所得制限を撤廃。2026年度からは、私立向けに加算される上限年39万6千円を全国の平均授業料である年45万7千円まで引き上げ、所得制限をなくす。

【経済】1月の消費者物価指数、3.2%上昇 コメ類は過去最大の70%超(2/21.Fri)

 物価上昇の勢いが再び強まりつつある。1月の消費者物価指数(2020年=100)は、値動きの大きい生鮮食品をのぞいた総合指数が109.8となり、前年同月より3.2%上がった。伸び率は前月の3.0%より大きく、3カ月連続で拡大した。生鮮食品もふくめると4.0%の上昇で、2年ぶりに4%台に乗った。総務省が21日に発表した。生鮮食品をのぞいた総合指数は、3年5カ月連続で上昇した。伸び率が日本銀行が目標にする「2%」以上となるのは、2年10カ月連続だ。さらに、3%以上が続いたのは、2022年9月~2023年8月に1年間連続して以来だ。

【政治】維新・増山県議「立花氏がデマ言ったと認識せず」 情報提供巡り会見(2/23.Sun)

 兵庫県の斎藤元彦知事らが内部告発された問題をめぐり、政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏への情報提供に関与した日本維新の会の増山誠、岸口実、白井孝明(たかひろ)の3県議が23日、神戸市内で記者会見を開いた。3人は謝罪したが、議員辞職は否定。増山氏は離党届を出したが、党は受理はしていないという。増山氏は、県議会調査特別委員会(百条委員会)のメンバー。非公開と事前に申し合わせていた百条委の音声データと、備忘録として自作していた告発者の元西播磨県民局長(故人)の真偽不明の私的情報が書かれた文書を立花氏に提供した。

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