この週末もスポーツ界でビッグニュースが相次ぎました。体操の内村航平選手が全日本個人総合選手権で史上最多の8連覇を果たしたり、テニスの錦織圭選手がバルセロナ・オープン（スペイン）のシングルスで２連覇を達成したり。
私が一番グッときたのは25日、米メジャーリーグ、マーリンズのイチロー選手が、日米通算で1968得点を記録し、王貞治氏（元巨人）のプロ野球最多得点記録の1967点を抜いた、というニュースでした。「得点数」とはホームを踏んだ回数です。私は子どものころ、得点数の価値がよくわかりませんでした。
イチロー自身も、「数字を聞いてもさっぱりわからない」とそれほど意識していない記録だったようですが、王氏の場合、「自分でそれを（本塁打によって成し遂げてきた）。全然比較にならない」と自身より王氏の偉業を称えるコメントをしていました。
観客席からの総立ちの拍手や、チームメートの祝福を受け、「記録のときは、人の気持ちの温かさを感じることが何よりもうれしい。きょうもうれしい反応だった。確実に僕の心に刻まれています」と感激を素直に言葉にする姿も印象的でした。
社会人として20年以上過ごしてきた今の私には、得点数の価値がよくわかります。チームの勝利（会社や社会の利益）に貢献するため、塁に出て（チャレンジして）、結果的にチームメートの安打や本塁打によって「得点」（成功）でき、その喜びをみんなと共有できる――。社会に出たら、一人で完結する本塁打以上にうれしい得点がきっとありますよ。
毎週月曜は１週間のニュースのうち、みなさんと共有したい話題をお届けする「ニュース★あらもーど」の日。火曜～金曜日の「今日の朝刊」通常版とともに、ご活用ください。（副編集長・奥村 晶）
ニュースダイジェスト
★【リニア】時速603キロ 鉄道の有人走行、世界最速 (4/21.Tue)
2027年の開業を目指すリニア中央新幹線の走行試験が続く山梨リニア実験線（山梨県）で、最新型車両L０（エルゼロ）系が、鉄道の有人走行として世界最速の時速603キロに到達した。16日に記録した世界記録の590キロを更新した。JR東海はギネス世界記録に登録を申請する。
同社によると７両編成で社員49人を乗せて走行。営業時の最高時速は500キロだが、より高速で走った場合の空気抵抗や電力消費量などを調べ、技術向上につなげるのが狙い。これ以上高速での走行試験は考えていないとしている。
★【原発再稼働】川内再稼働禁止の請求を却下 鹿児島地裁 （4/22.Wed)
九州電力川内（せんだい）原発１、２号機（鹿児島県薩摩川内市）の再稼働をめぐり鹿児島地裁は、運転差し止めを求めた住民の仮処分の申し立てを却下した。再稼働の前提となる新規制基準、原子力規制委員会による審査は「いずれも不合理な点は認められない」とした。住民側は福岡高裁宮崎支部に即時抗告した。
再稼働をめぐっては４月14日に福井地裁が関西電力高浜原発（福井県）の運転を禁じる仮処分を出した。新規制基準に主要部分が適合したと規制委が認めた二つの原発の運転をめぐり、異なる司法判断が出されたことになる。九州電力は川内原発１号機の再稼働を７月中旬に予定している。
★【スカイマーク】再生へ支援受け入れ決定 ANAから後任社長（4/22.Wed)
民事再生手続き中の航空会社スカイマークが、ANAホールディングスからの支援を受け入れると発表した。再建のための総額180億円の出資のうち、ANAが最大19.9％、投資ファンドのインテグラルが50.1%をそれぞれ出資、後任の会長はインテグラルから、社長はANAから出す。出資額の残りはANAの取引銀行などが出す方向で調整する。
再生計画が認可される予定の６月以降、スカイマークの井手隆司会長と有森正和社長は退く。スカイマーク側は1998年の運航開始以来続けてきた低価格路線は今後も守る考えを示している。ANAは、スカイマークがもつ羽田路線などを取り込むことで売り上げを伸ばし、マイレージ会員の獲得などでも優位に立てると見込んでいる。
★【ドローン】首相官邸の屋上に落下 規制検討の最中に(4/22.Wed)
東京都千代田区の首相官邸の屋上にあるヘリポート近くで、小型無人飛行機（ドローン）が見つかった。鳥のような視点で、人が立ち入れない災害現場や観光地を自由に撮影できる便利さで人気のドローン。政府は、国土交通省の交通政策審議会や総務省の専門家会議を通じて、ドローンについて飛行ルールなどの規制を検討している。
機体の上部には液体の入った茶色いプラスチック容器（直径約３cm、高さ約10cm）のようなものが取り付けてあり、内部からセシウム134とセシウム137由来の放射線が検出された。警視庁は25日、ドローンを飛ばしたとして福井県小浜市、無職の男（40）を威力業務妨害の疑いで逮捕した。
★【バンドン会議】途上国同士の「南南協力」推進を採択し、閉幕(4/23.Thu)
インドネシアで開かれていたアジア・アフリカ会議（バンドン会議）の60周年記念首脳会議が、途上国同士の「南南協力」の推進を掲げる「バンドン・メッセージ2015」や「新アジア・アフリカ戦略的パートナーシップの再活性化宣言」などを採択して閉幕した。２日間の首脳会議には、安倍晋三首相や中国の習近平国家主席ら首脳21人を含む92カ国・地域の代表が出席した。
バンドン会議は米ソ冷戦下の1955年、独立して間もない国々が中心となって開いた。第三世界の連帯、民族自決や反植民地主義などの政治的なメッセージが唱えられた。アジア・アフリカ地域は世界の人口の75％を占めながら域内総生産（GDP）は30％にとどまることもあり、今回は貿易や投資、観光での経済協力に重点を置いた内容となった。
★【首位陥落】トヨタ抜き、VWが世界販売数トップに(4/23.Thu)
2014年度のグループ世界新車販売で、独フォルクスワーゲン（VW）がこれまで首位だったトヨタ自動車を上回った。年度ベースでVWが世界首位に立つのは初めて。2013年度はトヨタが27万台多かったが、中国を中心に積極投資するVWが一気に抜き去った。トヨタが発表したグループ世界販売台数（ダイハツ工業、日野自動車含む）は過去最高で、前年度比0.3%増の1016万8000台、VWは前年度比約３％増の1019万台程度とみられる。
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