2015年03月09日

ニュース★あらもーど(3月2日~8日)

テーマ:週間ニュースまとめ

 「人間のピークは25歳だと思っている」。40歳を過ぎた私には耳の痛い話です。
 3月4日、「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングの入社式で、柳井正会長兼社長が新入社員に向かって呼びかけた言葉です。
 新入社員の年齢は22歳前後。意訳すると、あと数年で能力もパワーも下降するのだから、入社後はエンジン全開で仕事に取り組み、その後も勉強と努力を続けて、経験で「衰え」をカバーできるようにしておきなさい、という感じでしょうか。主な企業より入社式が1カ月早いのも仕事を早く覚えてもらうため、2年で店長を任せるなど、同社は若いうちに「鍛える」発想の強い会社です。同社の社員の勤務時間は数年前から7時~16時。ここにも退社後の時間は自分磨きに使うべし、とのメッセージが込められています。

 就活に企業研究は欠かせませんが、ベンチャー、創業者経営、同族経営の企業などを志望する場合、事業内容、職種などとともに、ぜひ経営者の価値観を確認しておくことをオススメします。共感できれば、志望動機にますます説得力が増しますし、反発を感じるようなら、その企業はあなたにとってミスマッチなのかもしれません。著書などがあればぜひ目を通しておきましょう。

 毎週月曜は1週間のニュースのうち、みなさんと共有したい話題をお届けする「ニュース★あらもーど」の日。火曜~金曜日の「今日の朝刊」通常版とともに、ご活用ください。(副編集長・奥村 晶)

ニュースダイジェスト

★【残業代】「残業代ゼロ」法案の要綱を答申 厚労省審議会(3/2.Mon)

 長時間働いても残業代などが払われない新しい働き方をつくる労働基準法改正案の要綱について、厚生労働省の労働政策審議会が、「おおむね妥当」として塩崎恭久厚労相に答申した。8年前に同様の制度、「ホワイトカラー・エグゼンプション」(当時)を検討し、断念した安倍政権は2016年4月の実施に向けて今国会での成立を目指す。改正案は3月下旬に国会提出する予定。

 今回の改正案のなかで「高度プロフェッショナル制度」と呼ばれるこの働き方に対し、「働き過ぎを助長する」と労働組合は批判。審議会でも、答申には「いまの制度でも成果と報酬を連動させることは可能」などと労組代表の反対意見が併記された。

★【長者番付】ゲイツ氏2年連続1位 株高追い風で世界の富豪過去最多(3/2.Mon)

 米国の経済誌フォーブスが2015年版の世界長者番付を発表した。資産が10億ドル(約1200億円)以上の“富豪”は前年より181人多い1826人にのぼり過去最多となった。該当する富豪の保有総額は7兆500億ドル(約850兆円)で、昨年より約1割増えた。米国などでの世界的株高で株式などの資産を多く持つ富裕層にいっそう富が集中した。

 番付によると、米マイクロソフト(MS)創業者のビル・ゲイツ氏が保有資産792億ドル(約9兆5000億円)で2年続けてトップになった。米グーグルのラリー・ペイジ最高経営責任者は297億ドルで19位、中国のインターネット通販最大手アリババグループの馬雲(ジャック・マー)会長は227億ドルで33位。
 日本人ではカジュアル衣料品「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長が41位(202億ドル)でトップ、ソフトバンクの孫正義社長が75位(141億ドル)、楽天の三木谷浩史会長兼社長は151位(87億ドル)だった。

★【沖縄米軍基地】辺野古埋め立て「夏ごろ」中谷防衛相、着手時期明言(3/3.Wed)

 中谷元・防衛相は衆院予算委員会で、沖縄県の米軍普天間飛行場の同県名護市辺野古への移設について、「(埋め立ては)この夏ごろに着手したい」と述べた。埋め立て着手時期を明言したのは初めて。

 2013年末に仲井真弘多知事(当時)が辺野古沿岸部の埋め立てを承認して以降、2014年8月に海底ボーリング調査を開始。同年11月に沖縄県知事選で移設反対派の翁長雄志知事が当選した後も、移設反対派が抗議するなか、作業が進んでいる。
 中谷防衛相の発言について翁長知事は「一方的だ」として不快感を示した。

★【コンビニ再編】ファミマ・ユニー統合交渉 コンビニ売上高2位に(3/6.Fri)

 国内コンビニエンスストア3位のファミリーマートと、4位のサークルKサンクスを傘下に持つユニーグループ・ホールディングスが経営統合交渉に入ったことがわかった。実現すればコンビニ事業の売上高は、現在2位のローソンを抜き、首位のセブン―イレブン・ジャパンに次ぐ2位に浮上、店舗数では首位セブンをやや上回る。共同持ち株会社の設立など統合の形態や時期などの詳細は今後詰める。コンビニのブランドは一本化させるとしている。
 
 国内のコンビニは店舗数が5万店を超え、顧客の奪い合いが激しい。ファミマとサークルKサンクスの既存店舗の売り上げは減少傾向にあり、統合することで商品などの調達コストを下げる狙い。ファミマ株の37%を持つ筆頭株主の伊藤忠商事は2009年にユニーグループに3%出資するなど、連携を探ってきた。

★【防衛省設置法改正案】文官統制見直しを閣議決定 権限、制服組に集中(3/6.Fri)

 安倍内閣が、防衛省内で「背広組」(文官)が「制服組」(自衛官)より優位だとする「文官統制」を見直す防衛省設置法改正案を閣議決定し、国会に提出した。特に自衛隊をどう動かすかの運用面で、制服組の影響力が強まりそうだ。今後、シビリアンコントロール(文民統制)をどう確保するかが課題だ。改正案には「防衛装備庁」の新設も盛り込んでいる。

 文民統制とは、政治家が軍隊を統制すること。自衛隊法では自衛隊は文民である首相や防衛相が指揮監督すると規定されている。文官統制とは、防衛相を政策の専門家である文官が支え、自衛官を統制する仕組みのこと。いずれも戦前、戦中に軍部が暴走した反省から生まれた。

※朝日新聞デジタルの無料会員は1日3本の記事全文を、有料会員になればすべての記事を読むことができ、過去1年分の記事の検索もできます。ぜひ登録してください。

アーカイブ

テーマ別

月別