業界研究ニュース

2017年05月17日

日本のトイレ、中国で大ヒット! LIXILとTOTO業績アップ

建設・不動産・住宅

LIXIL、前年の赤字からV字回復

 住宅設備大手LIXIL(リクシル)の2017年3月期決算の純利益は、425億円の黒字で過去最高になりました。前年の256億円の赤字からV字回復です。中国を筆頭に海外で温水洗浄便座(シャワートイレ)が好調で、業績を押し上げています。同社のアジア太平洋地域の水回り部門の売上高は前年比8%増の919億円で、うち4割が温水洗浄便座でした。
(2017年5月8日朝日新聞デジタル)
(写真は、中国で売れ行き好調LIXILのシャワートイレ「SATIS」です)

TOTOもウォシュレットが中国で伸びた

 ライバルのTOTOも、同期決算で売上高が前年比1%増の5738億円と過去最高をマークしました(「TOTO売上高、過去最高を更新 3月決算」2017年4月29日朝日新聞西部朝刊)。こちらの記事も、やはり「海外では中国を中心に温水洗浄便座の販売が大きく伸びた」と指摘しています。同社サイトの決算説明によると、中国のグループ売上高は前年比11%増で、その25%(前年度20%)がウォシュレット。17年度計画で前年の1.46倍の販売目標を掲げています。

日本の一般家庭での普及率は8割以上

「温水洗浄便座」と言うと聞きなれないけれど、「ウォシュレット」や「シャワートイレ」ならおなじみですね。国内シェア1位のTOTOが「ウォシュレット」、2位のLIXILは「シャワートイレ」で、いずれも登録商標です。国産の温水洗浄便座は1967年、伊奈製陶(現LIXIL)が「サニタリーナ61」(写真)を発売、ウォシュレットは80年に登場しました。日本レストルーム工業会のトイレナビによると、2016年の一般家庭の普及率は81.2%に、100世帯当たりの所有台数115にのぼります。

途上国のインフラ整備進めば、もっと売れる

 近年の中国人旅行客の“爆買い”で、人気商品の一つが温水洗浄便座でした。中国でも類似商品がありますが、それでも日本製は売れます。冒頭のLIXILの記事では、「中国メーカーも製品を出しているが壊れやすいため、日本製品にシフトしているようだ」と、同社IR室長がコメントしています。しかし、温水洗浄便座を使うためには、まず下水道が必要です。アジアの途上国で、下水道のインフラ整備が進んできたことが人気の背景にあるでしょう。つまり、下水道整備が進めば、さらに需要は膨らむということです。

世界に羽ばたけ!日本のトイレ技術

 少子化の日本市場は大きな成長は難しいでしょうが、インフラ整備の観点から見れば海外市場はこれからです。LIXILは今年4月、グローバルシャワートイレ事業部を発足させました。プレスリリースでは「長期的な戦略の下、世界市場におけるシャワートイレの拡販に向け、地域ごとに異なる消費者ニーズに対応し、イノベーション創出を図ります」と、うたっています。TOTOは3月、タイの首都バンコクに専門家向けショールームを開設し、5月にはタイで衛生陶器の量産を行う新工場建設に着工し、19年の本格稼働を目指しています。温水洗浄便座は、日本発の世界的ヒット商品です。日本の技術力をどう活かし事業を伸ばしていくか、一つの成功例として学んでください。

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