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2014年12月02日

「魚離れ」でも「マグロ絶滅の恐れ」? 水産会社の取り組み抑えよう

食品・飲料

養殖マグロ、師匠のお墨付き (11月27日朝日新聞朝刊)

 大手商社の豊田通商(名古屋市)は12月、成魚まで養殖したクロマグロを出荷し始める。提携先の近畿大(大阪府東大阪市)から品質を評価され、「近大マグロ」ブランドとして売り出す。

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 国際自然保護連合(IUCN)が11月、すしネタなどとして日本人に人気が高い太平洋クロマグロ絶滅危惧種に指定しました。IUCNによれば、太平洋クロマグロはこの20年余の間に生息数が19~33%も減少したといいます。2年後に開かれるワシントン条約締約国会議では、取り引きの規制対象とされるかも知れません、

 太平洋クロマグロの8割は、日本人が消費しています。大西洋クロマグロやミナミマグロ、メバチマグロもすでに絶滅危惧種とされています。このままでは、日本の食卓からマグロの姿が消える日が来ないとも限らないでしょう。

 ところが一方で、日本の水産庁や食品会社は「日本人の魚離れが進んでいる」と危機感を表明しています。「絶滅のおそれ」がニュースとなる半面、「消費の低迷」も喧伝(けんでん)される。どういうことでしょうか。

 日本人の「魚離れ」の根拠とされるのは、「1人1日あたりの摂取量」というデータです。厚生労働省の「国民栄養調査」によれば、2005年ごろまでは肉よりも魚の摂取量が多かったのですが、逆転しました。ここ10年間ほどの推移を見ると、とりわけ若者の摂取減が著しく、1~19歳では2割以上も減ったとされています。

 ですが、見落とせないポイントが何点かあります。一つは「たとえ減ったとはいっても、日本人の魚の摂取量はいまでも、世界的に見れば非常に大きい」ということ。二つ目に「しかも、その魚の消費がマグロやウナギなどの絶滅危惧種に集中している」ということ。さらには「マグロなど漁業資源の維持対策を、これまできちんと取ってきたのか」という問題です。

 今回の記事では、商社によるマグロ養殖の動きが取り上げられています。近畿大は2002年、クロマグロを卵から成魚に養殖することに世界で初めて成功しました。豊田通商はこのマグロ養殖と販売の事業を強化するとしています。

 では、水産会社などはどんな取り組みをしているでしょうか。マルハニチロは、本州最南端の和歌山県串本町でマグロの飼育に取り組んでいます。将来はここを国内最大規模に拡大する予定です。極洋も、クロマグロの完全養殖を目的として日本配合飼料との合弁会社「極洋日配マリン」を設立し、完全養殖マグロの生産に取り組んでいます。各社の取り組みをチェックしてみましょう。

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