ユニクロ通販、即日お届け (10月15日朝日新聞朝刊)
衣料専門店「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングと大和ハウス工業は10月14日、ユニクロ向けの物流を担う共同出資会社を設立すると発表した。 東京・有明に物流倉庫を2016年1月から設置することで、ユニクロの商品をインターネットで注文すると、首都圏の一部では当日中に配達できるようになるという。
衣料専門店「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングと大和ハウス工業は10月14日、ユニクロ向けの物流を担う共同出資会社を設立すると発表した。 東京・有明に物流倉庫を2016年1月から設置することで、ユニクロの商品をインターネットで注文すると、首都圏の一部では当日中に配達できるようになるという。
ユニクロが「即日配送」を始めるというニュースです。都内などでは、商品を注文したその日のうちに自宅へ届くというのですから、すごいですね。
でも、この事業のパートナーの名前は、ちょっと意外に見えるかも知れません。住宅メーカーとして知られる大和ハウス工業です。しかし現在、大和ハウス工業はこの流通事業で大きく躍進しているのです。
大和ハウスでは「Dプロジェクト」という名前で、こうした法人向けの物流システム構築を展開しています。大量の商品を円滑に配達するため、広い土地を見つけ、大規模な倉庫などを建設するのです。まさに長年の不動産業でつちかったノウハウを活用できる強みがあります。
そもそも現代はネット社会。パソコンで商品を注文し、自宅に送るというサービスがさまざまな分野で拡大しています。そして、こうした物流事業が日本経済の大きな一翼をになっていることにも着目しましょう。
たとえば最近の地価動向。今年3月に発表された公示地価では、3大都市圏が6年ぶりにプラスに転じました
が、これを支えているのが湾岸部などに目立つ物流倉庫なのです。
みずほ証券の不動産アナリスト、石沢卓志氏は不動産証券化協会のインタビューなどで、こう指摘しています。「大型の物流施設系リート(不動産投資信託=投資家から資金を集めて不動産を運用し、収益を分配する金融商品)が複数上場し、物流施設系リートに対する投資家の評価が上昇している」。地価上昇の背景には物流がある、というわけですね。
ユニクロではさらに、今回チャレンジする即日配送のノウハウを海外でも展開していく構えです。記者会見で柳井正会長は「世界中で快適に買い物ができるようにする」と語っていました。つまり今回のニュースは、ユニクロの世界戦略の重要な土台でもあるわけです。
実はユニクロは、ネット通販にはまだ弱い会社。売上高に占める通販の割合は、数パーセントにとどまっています。新たなノウハウを獲得して、事業を広げていく狙いがあるのでしょう。
2024/11/23 更新
※就活割に申し込むと、月額2000円(通常3800円)で朝日新聞デジタルが読めます。
1
2
3