西アフリカで石油開発へ (9月13日朝日新聞朝刊)
三菱商事は12日、西アフリカのコートジボワール沖合の石油・ガス田開発に参加すると発表した。米探鉱会社アナダルコ社から20%分の権益を数十億円で譲り受け、2019年からの原油生産をめざす。
三菱商事は12日、西アフリカのコートジボワール沖合の石油・ガス田開発に参加すると発表した。米探鉱会社アナダルコ社から20%分の権益を数十億円で譲り受け、2019年からの原油生産をめざす。
日本は、米国、中国につづく世界3位の石油輸入国です。石油の99.9%を海外に頼っています。輸入相手国のトップはサウジアラビア。以下、2位=アラブ首長国連邦(UAE)、3位=カタール、4位=クウェート、5位イラン……と続くように、輸入相手国の8割以上が中東に集中しています。
しかし中東は、必ずしも政治情勢などが安定している地域ではありません。日本の石油資源は不安定な土台にあります。石油を輸出できる国としてはロシアや米国などもあり、日本は輸入相手国の拡大を課題としてきましたが、近年、とりわけ関心が注がれているのがアフリカでしょう。
アフリカには、ナイジェリアを初めとして、アンゴラ、リビア、アルジェリアなど、石油輸出国がいくつもあります。今後、さらに探査や開発が進めば産出量が増えて、国際的な地位を高めることも予想されます。
日本の商社も、このアフリカとの取引拡大に動いています。三菱商事が取得する権益は、日量にして1万3000バレルもあります。これは日本の1日あたり石油消費量の約350分の1に相当する量です。
同社はこれまでもアンゴラなどで油田開発に携わってきましたが、今回のコートジボワールでの事業が海外での油田権益として最大になります。
ほかの商社でも、さまざまな動きが展開されていますから、この機会に注目しましょう。三井物産は同じ米アナダルコ社などと共同で、モザンビークで天然ガス生産を準備中。伊藤忠商事もナミビアの天然ガス生産を進めています。ほかの動きについても、自分でチェックしてみましょう。
2024/12/04 更新
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