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2014年09月12日

ブルドーザーでも自動運転 人手不足の解消策にも

機械・プラントエンジニアリング

ブルドーザーでも自動運転 (9月6日朝日新聞朝刊)

 広い土地を造成する土木現場や規模の大きな鉱山で、無人で走るトラックや自動で動くブルドーザーが活躍し始めた。作業効率を上げるねらいがあるが、これからも深刻化しそうな人手不足の解消策としても注目されている。

【目のつけどころ】中国市場で生き残る「技術」とは

 コマツは、中国市場でもっとも成功している企業といわれています。中国に進出している企業は数多くありますが、「本当に儲けているのはコマツだけ」などと評されます。

 なぜでしょうか。答えが、この記事の中にもあります。それは、GPS(全地球測位システム)です。

 コマツ製のブルドーザーやダンプカーなどの建設機械には、GPSやセンサー、通信機能が装備されています。車両の位置を正確に把握し、稼働状況や稼働時間を管理することで、作業の効率や燃費の向上を図り、故障などにも対応するのです。遠隔操作もできるそうですから、すごいですね。

 でも、これがなぜ、中国商戦でそれほど大きな武器になるのでしょうか。

 経済評論家の山口正洋さんが、近著『本当は凄い日本経済入門』でその理由を説明しています。ずばり、
「乗り逃げ対策」
 だそうです。山口さんによれば、中国人は頭金を払ってそのままブルドーザーを乗り逃げするケースが多く、ほかのメーカーも大変な苦労をしていると言います。たとえ裁判をしても効果は乏しく、費用の回収は困難だそうです。

 これをコマツは解決しました。コマツ製の建機は、乗り逃げをされてもGPSで行き先を追跡できるし、遠隔操作の機能によってエンジンを強制的に停止することもできます。「KOMTRAX」(コムトラックス)と名づけられたこのシステムの効果は、コマツの技術資料などで詳しく説明されています。

 ところで、こうした機能に対しては、中国側から、
「わが国に対する日本の諜報活動だ」
 という反発が出ていました。こうしたあたりも、中国ビジネスの難しさかも知れませんね。

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