ドコモへの規制を緩和へ 総務省 (8月5日朝日新聞朝刊)
総務省は、NTTドコモに課していた規制を緩和する方向で検討に入った。いまはドコモがほかの企業と提携するときには一定の制約があるが、これを緩め、ほかの企業との提携で携帯通信を使った新サービスを提供できるようにする。
総務省は、NTTドコモに課していた規制を緩和する方向で検討に入った。いまはドコモがほかの企業と提携するときには一定の制約があるが、これを緩め、ほかの企業との提携で携帯通信を使った新サービスを提供できるようにする。
これはNTTドコモに対して法律で課されている「独占規制」をめぐる記事です。でも、この独占規制とはそもそも何でしょうか。
ドコモはもともと、政府が100%出資をした日本電信電話公社(電電公社)という国営企業でした。かつて日本には「三公社五現業」と呼ばれた公共企業体があったのです。その一角を占めた巨大組織が、1985年に民営化され、さらには分割もされて今のNTT東日本やNTT西日本、NTTコミュニケーションズなどになりました。
これら「旧電電」企業のうち、携帯電話事業に取り組んだのがドコモです。だから当然、サービス開始時期には市場のシェアの大半を握るなど、圧倒的な独占企業でもありました。
そこで国は、こうしたドコモの支配力をそぐため、他社にはない特別な「縛り」を設けたのです。それがこの独占規制。2001年に始まりました。ドコモの自由を縛ることで、他社の参入をしやすくして競争をうながし、優れた技術が生まれたり、利用者が使いやすいサービスが広がったりすることを狙ったわけです。
しかしいまでは、ライバルのKDDIやソフトバンクが成長し、ドコモの市場占有率は4割程度に下がりました。そこで従来の独占規制を緩めることで、むしろドコモが他社と連携しやすくし、新たなサービスを引き出すことを期待するのが今回の措置です。
では、その「期待される新たなサービス」には、どのようなものがあるでしょうか。
たとえば、乗用車の自動運転技術が考えられそうです。ドコモが自動車メーカーと連携することで、ドコモの通信技術を使って信号機などの道路情報を車が受け取り、安全に走る仕組みが開発されることが期待できます。
では、ほかには? 今回の記事では、こうした新サービスの予想にまでは触れられていませんから、この機会に自分で調べたり考えたりしてみましょう。
2024/11/21 更新
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