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2014年07月17日

KDDIがセブン&アイ、テレ朝などと組んで起業支援

通信・インターネット関連

KDDIが起業支援 (7月15日朝日新聞朝刊)

 KDDIは14日、起業支援でコクヨやセブン&アイ・ホールディングス、三井物産など13社と連携すると発表した。2011年からスマートフォンのアプリ開発企業などを支援してきたが、ネットに限らず幅広い分野の支援に乗り出す。

【目のつけどころ】 大企業のノウハウを若い起業家に

 就職活動や新入社員時代によく耳にする言葉に「メンター」があります。指導者とか助言者といった意味ですが、ニュアンスとしては「よき先輩」といった感じで理解するほうが、しっくりするかも知れません。

 若い時代は、多くの悩みや不安を抱えるもの。そこでメンターたちが、仕事のやり方ばかりでなく、職場の人間関係といった幅広い問題について、相談に乗ってくれたりお手本になってくれたりするのです。ギリシャ神話に登場する英雄の導き役「メントール」が、この言葉の語源とされています。

 さて、今回のニュース。いささか大胆に意訳すれば、これはベンチャー向けの大手企業による「メンター制度」と言えるかもしれません。KDDIでは、三井物産やセブン&アイなど13社と組み、起業家の支援を拡大します。資金を提供するとともに、これらの大企業が持つノウハウを、若い起業家に向けて提供していくそうです。

 実際、この13社のうち主要5社を「メンタリング企業」と名づけています。支援先も5社を選定するそうです。そして、メンタリング企業の5社がそぞれKDDIとチームを組み、支援する起業家と「1対1」の関係を築きながら、一体となって事業創出を目指していくわけです。

 ではメンタリング企業の5社は、それぞれどんなメンターとなれるのでしょうか。記者発表では、各社のサポート内容が示されていました。

【コクヨ】 働く人や学ぶ人の知的活動にまつわるものづくりや空間づくりのノウハウを提供
【セブン&アイ】コンビニから百貨店までさまざまな流通チャネルとの連携のサポート
【テレビ朝日】放送および関連事業で培ったノウハウを活用した支援
【プラス】営業・物流ネットワークを通じ、官公庁や企業との結びつきをサポート
【三井物産】多様な産業にまたがる新規事業開発のノウハウの提供

 どうですか。ここには、それぞれの企業がもつ「強み」が示されていますね。今後どんな事業が選ばれ、どのような支援や展開がされていくのか、関心が高まります。

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