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2014年02月28日

ワタミ、「在宅配食サービス」に低価格商品を投入

介護・福祉サービス

宅食サービス進化 1食格安474円・すしも注文可 (2月25日朝日新聞朝刊)

 高齢者世帯などに日替わり弁当を届ける在宅配食市場が過熱している。シニア層の需要を見込んで外食産業が次々と参入しているからだ。最大手のワタミは低価格商品を投入して迎え撃つ。

【目のつけどころ】 医療、介護分野で進む「施設から在宅へ」

 弁当などの調理済み食品を、自宅へと配達する「在宅配食サービス」についての記事です。この分野で今後、ますます市場が拡大すると見込み、企業の参入が相次いでいるそうです。
 記事では、最大手であるワタミタクショクや、「オリジン弁当」を展開するオリジン東秀、居酒屋「白木屋」の運営会社モンテローザなどの動きを伝えています。また、これらの企業の主要なライバルがコンビニ業界であることも分かります。例えばセブン-イレブンが大きく売り上げを伸ばしているようです。

 そこで、この機会に考えてみましょう。なぜ、こうした在宅配食サービスが伸びるのでしょうか? その背景は何でしょうか?
 もちろん「高齢化」は大きな土台でしょう。しかし、そこに拍車をかけている動きがあります。国の政策です。
 こんな言葉を最近しばしば耳にしませんか。
「施設から在宅へ」
 これこそが、国による社会保障費の抑制政策を象徴する言葉です。
 厚生労働省は昨秋、特別養護老人ホームに入所できる条件を厳しくする改革案を示しました。症状が軽い「要介護2」以下の人は新規の入所を認めない、というのが国の方針です。

 介護だけではありません。医療もそうです。在宅医療の推進を市町村の役割として明記する方針が、昨年、厚労省から示されています。
 医療や介護の分野で進む「施設から在宅へ」という動き。当然ながらこれに伴って、病院や老人ホームで提供されていた「食事」もまた、自宅へと移ります。
 どうですか。国の方針が、在宅配食サービスの新規参入競争を過熱させている。そのように見えませんか。福祉分野に関心がある人にとっても、注目すべき記事でしょう。

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