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2014年01月02日

文芸 権力と向き合う表現者

マスコミ・出版・印刷

回顧2013 文芸 権力と向き合う表現者 (12月24日朝日新聞夕刊)

 言論の自由がないがしろにされた太平洋戦争中、誰が大政翼賛的になったか、誰が沈黙を守ったか――作家たちのふるまいを我々は知っている。主権者である多くの国民の反対を押し切り、今年国会で成立した特定秘密保護法に、厳しい目で反応せざるを得ない作家がいるのは、表現者として当然のことだ。

【目のつけどころ】 2013年の回顧

 最近もっとも関心を持ったニュースは何ですか――。就職活動の面接では、定番と言える問いでしょう。面接官にとっては、相手の知的関心や好奇心の高さを知るためのみならず、人柄や性格までも把握する手がかりとして、投げかけてみたい質問です。
 まして、それが出版社や広告会社といったマスコミ関係ならば、なおさら。「なにが最近、一番おもしろかったか」「それはなぜか」。どれを挙げて、どんな言葉で説明をするのか。たとえ短いやりとりでも、メディアという仕事への適正がにじみ出るに違いありません。

 さあ、あなたにとって最近のイチオシは何でしたか?
 年末の紙面では、「回顧2013」というタイトルのもとで、さまざまな分野ごとに1年の重要な出来事や作品がまとめられました。夕刊の文化面では、曜日によって「美術」「音楽」「映画」といったジャンル別に、専門記者が渾身の力を込めて2013年を振り返っています。イチオシ作品はどれだったか。理由はなにか。マスコミ就職希望ならば、是非とも押さえておきたい記事です。

 そこで、今回の記事です。「文芸」のジャンルにおける回顧です。いささか独特の書き出しは、一般的な新聞記事というよりも、吉村千彰・編集委員による論考という面を打ち出してのことでしょう。大江健三郎や村上春樹の作品が取り上げられています。
 さらには「私の3点」と題して、6人の識者によるベスト3作品もあります。「国内文学」「海外ミステリー」などに分かれ、理由も説明されていて興味が深まります。
 このほか、出版界の話題としては、12月9日の夕刊記事が注目ですね。戦国時代の瀬戸内海の制海権をめぐるエンターテイメント作品が相次いでいることが、「海賊・村上水軍に脚光」と題してまとめられ、版元である新潮社と講談社の「ガチンコ対決」としても読める楽しい記事です。映画化の話もあります。要チェック!

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