水なしで溶けるサプリ (11月27日朝日新聞朝刊)
大塚製薬は、水を使わずに口のなかで自然に溶けるサプリメント「ビタメルト」を、全国のコンビニで11月下旬に発売した。これまでのサプリは飲むときに水が必要な商品が多く、「外出先で不便」との声にこたえた。ビタミンCをとれるオレンジ味、カルシウムをとれるバニラ味など5種類で、30~50粒入り1箱が税別600円。
大塚製薬は、水を使わずに口のなかで自然に溶けるサプリメント「ビタメルト」を、全国のコンビニで11月下旬に発売した。これまでのサプリは飲むときに水が必要な商品が多く、「外出先で不便」との声にこたえた。ビタミンCをとれるオレンジ味、カルシウムをとれるバニラ味など5種類で、30~50粒入り1箱が税別600円。
大塚製薬って、どんな会社ですか? 一番の看板商品は何だと思いますか? いろいろな答えが想像できそうですね。
ポカリスウェットやオロナミンC、ファイブミニ。あるいはカロリーメイトやオロナインH軟膏……。どれも有名で、かつ定番の商品です。でも「それでは、もっとも売り上げの大きな商品は?」と問われると、答えに迷いますよね。
大塚製薬には、実はメガヒット商品があります。それは抗精神病薬アリピプラゾールです。「エビリファイ」という商品名で販売され、統合失調症の治療薬として使用されています。
11月に発表された最新の第2四半期決算で、その規模を見てみましょう。大塚製薬では2013年度の売上高を1兆4350億円と見込んでいます。営業利益は2150億円と予想しています。
このうちエビリファイの売上高は5600億円。なんと売り上げ総額の3分の1を、このエビリファイという1商品がもっているのです。
ちなみに同社では、ポカリスエットやカロリーメイトといった商品の事業部門を「ニュートラシューティカルズ(NC)」と呼んでいます。今回の記事にあるサプリメントも、このNC事業に属します。一般消費者にはこのNC事業部門の商品がよく知られますが、売上高で比較するとこのNC事業に対して、医療事業はこの3倍もの規模があります。そして、医療事業の売り上げの半分以上をエビリファイが占めます。
この突出ぶりは、営業利益で見ればさらに明確です。医療事業がもたらす利益は1800億円を超えるのですから、実に9割超にあたります。
一方で大塚製薬は、このエビリファイという商品を積極的にはPRしてはいません。抗精神病薬、統合失調症治療薬という薬品の性格もその背景にあります。企業の実像を理解するには、データ分析が不可欠ですね。
2024/12/04 更新
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