JR北海道の追加監査開始 (10月9日朝日新聞夕刊)
JR北海道のレール異常放置問題で、国土交通省は9日、同社への追加の特別保安監査を始めた。1回目に監査した土木や経営部門のほか、保線作業や車両整備の業務委託先も対象に加える。
JR北海道のレール異常放置問題で、国土交通省は9日、同社への追加の特別保安監査を始めた。1回目に監査した土木や経営部門のほか、保線作業や車両整備の業務委託先も対象に加える。
JR北海道で貨物列車が断線した事故をきっかけに、レール幅などの異常が267カ所も放置されいたことが判明し、大問題になっています。
なぜ、このようなことが起きたのでしょうか。「そもそもJR北海道とはどのような会社か」という背景を押さえておきましょう。
JRはもともと国鉄という一つの組織でしたが、1987年に旅客6社・貨物1社に分割・民営化されました。この旅客6社の経営状態には、大きな差があります。本業での売上げを示す「鉄道事業営業収益」で比較して見ましょう。(2013年3月期決算)
JR東日本 1兆8442億円
JR東海 1兆2359億円
JR西日本 8448億円
JR北海道 776億円
JR四国 265億円
JR九州 1610億円
どうですか、前半の3社と後半の3社で、大きな違いがあることがわかりますね。
JR東日本、JR東海、JR西日本は、本州に路線があり、経営状態が良く、株式も上場されています。これに対してJR北海道、JR四国、JR九州は「三島(さんとう)会社」と通称され、必ずしも経営状態が良くありません。
この三島会社のなかでもとりわけ厳しいのが、JR北海道です。広大な面積があるのに人口が少ないことなどから、札幌周辺を走る一部路線を除くとほとんどが赤字です。今度はJR北海道、JR四国、JR九州の営業利益について見てみましょう。
JR北海道 ▼309億円
JR四国 ▼96億円
JR九州 15億円 (▼は赤字)
このように、JR北海道の赤字は突出しています。
経営が苦しければ優秀な人材の確保が難しくなりそうですし、設備の更新や補修にも影響がありそうです。こうした経営状態と、今回の一連のトラブルの間にどのような関係があるのでしょうか。しっかりとした解明が待たれます。
2024/11/21 更新
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